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判明!海の生き物の本当の人気度&レア度を大調査!

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ダイビングの楽しみ方は人それぞれ。

写真を撮るのが好き、地形が好き、浮遊感が好きーー。
もちろん生き物が好きなダイバーの方も多いことでしょう。

生き物が好きというダイバーの方の中には様々な好みを持つ方がいらっしゃり、ウミウシ好きを筆頭に、エビカニ好き、ハナダイ好き、ベラ好き、果ては寄生虫好き、なんて方もいらっしゃいますね。
また、様々な生き物を見るのが好きという方もいれば、生態行動をじっくりと観察するのが好きという方もいると思います。

さて、かく言う筆者はというと、魚好き。
強いて言うならハゼが好きですが、魚全般、なおかつ、普段から見られる生き物の何気ない行動を観察するのが好きです。

さて、ダイビングを始めると徐々に分かってくるのが生き物の人気度とレア度。
アイドルとも称されるほど人気の魚がいる一方で、いつもいるのに誰も名前を教えてくれない生き物がいる様に、ダイバーからの人気か、ガイドからの人気かはわかりませんが、確実に人気の大小は存在します。

また、いつもいる生き物がいる一方で、出現しただけで人が群がるどころか、出現情報が全国を駆け巡る様なレアな生き物もいます。

いわゆる「普通種」にだってかわいい一面はあるので、分け隔てなく愛でて欲しいなと思う反面、珍しい生き物や、推しの生き物がいればダイバーとして見に行きたくなってしまうのは事実です。
そして、推しの生き物がいればダイビングが楽しくなるのも事実だと思うので、まずは是非、自分の中でも推しを作ってみてもらいたいと思っています。

それにしても、実際の所、何が人気で、何がレアなのか。
ダイビングを始めて間もない方によく聞かれる質問です。

ということで、今回はScuba Monsters的視点で、海の生き物の人気度とレア度を調査してみたいと思います!

調査方法

Scuba Monstersでは、全国のダイビングスポットで出現した生き物の情報を独自に収集しています。

2024年2月現在で、収集したデータは28万4,465件とその数は膨大。
この出現回数を生き物ごとに集計することで、人気度やレア度が見えてくるのではないか、ということですね。

レア度に関しては、当然ながら珍しい生き物ほど出現回数が減るでしょう。
人気度に関しては、人気の生き物ほど出現回数が多くなるはずです。

尚、人気はあるが珍しくはない生き物や、人気はそこそこ・珍しさもそこそこ、という生き物はどちらも出現回数が多くなることが予想されるため、出現回数が人気度、レア度、どちらを強く示しているかということまではわかりません。
しかし、ダイバーが喜ぶからこそWEB上に情報が存在するため、出現回数が多い=ダイバーが喜ぶ生き物と考えられるかと思います。
逆に、少ない場合は、あまり人気が無い場合と、ものすごく珍しい生き物という場合が含まれるものと思われます。

ちなみに、Scuba Monstersが保有している海の生き物データベースには2024年2月現在で17,266種の生き物が登録されていますが、28万4,465件のデータには1/5弱にあたる3,202種の生き物が登場していました。

ダイバーが喜ぶ生き物BEST5

まずは気になるBEST5です。
5位から順に見ていきましょう。

第5位:キンギョハナダイ(3848件)

第5位はキンギョハナダイです。
多くのダイビングスポットで普通に見られる生き物ですが、鮮やかな色で多くのダイバーを魅了する魚ですね。

第4位:カエルアンコウ(4092件)

カエルアンコウ

第4位はカエルアンコウ。
ダイバーのアイドルとも呼ばれる魚ですね。
いつでも必ず見られる魚、というわけではなく、どちらかと言うとレアもの扱いされることが多い様にも感じていますが、それを補って余りある人気度によって、4位にランクインしたということでしょう。

第3位:イサキ(4280件)

第3位はイサキ。
食卓でもお馴染みの魚ですが、イサキが大きな群れを為す様子はいつ見ても目を奪われてしまいます。
キンギョハナダイ同様、比較的多くのダイビングスポットで、比較的いつでも見られ、なおかつ多くのダイバーの心を掴んでのランクインということでしょう。

第2位:アオウミガメ(4504件)

第2位はアオウミガメ。
今回のランキングで唯一の大物と言えるでしょう。
第4位のカエルアンコウ以上に、いつでもどこでも見られる生き物ではありませんが、南の海ではほぼ確実に見られるというダイビングスポットも多く、その分高い順位にランクインしたのでしょうか。

第1位:クマノミ(5093件)

栄えある第1位はクマノミです。
分布域の広さ、人気度、観察しやすさ、全ての要素が相まって、2位以下に大きな差をつけての第1位です。

気になるあの生き物の順位は?

5位までのランキングが妥当なのかという視点も含め、他の生き物についても見てみましょう。

人気の生き物の順位

やはり人気の生き物は上位にランクインしています。
魚以外はどうでしょうか。

ピカチュウの愛称で大人気のウデフリツノザヤウミウシは513位と、やや低めですね。
エビ・カニに関してはすみません、大人気、という種がパッと思いつかなかったので、少々マニアックですが人気を集めているエビにしてしまいました。

よく見る生き物の順位

やはりそこそこ高めの順位と言えそうです。
出現回数=人気度×レア度、と考えて良いのではないでしょうか。

個人的な推しの順位

ここまでは人気がありそう、よく見られてそう、という予想が立つ生き物だったので、予想できない物の順位も見てみるために、筆者の個人的な推しの順位を見てみます。

うーん、なんだかどれも妥当かなと思います。(笑)

一番の推しであるヒメユリハゼが2152位と非常に順位が低いのは残念ですが、注目されることの少ない生き物であるという感覚はあるので、納得はしています。

ヒメユリハゼ、淡い体色に一筋の鮮やかな赤が入り、さらにヒレの縁は青く光る様な色をしていて、ものすごく綺麗なんですよ!
是非注目してあげてください!

出現回数が少なかった生物

出現回数が少ない生き物にはマニアックな生き物がずらっと並んでいるのですが、中にはもう少し出現回数が多くても良いのでは?という生き物も存在しました。

最も気になったのはハリセンボンです。
出現回数は28万4,465件のうちわずか4回と非常に少ない結果となりました。

場所さえ選べば比較的容易に観察できる魚で、なおかつ人気もある魚だと思うのですが、なぜでしょうか……。

ほか、ヒラニザ、ホシノエソ、ヨメゴチ、キビレミシマなど、比較的よく見られるにも関わらず。出現回数が3回以下の生き物もちらほら。
なんとなく、わからなくはない並びではあるのですが、もう少し注目してあげて……。

出現回数1回の中で目を引いたのが、クチナシツノザヤウミウシ、ボブサンウミウシ、ミヤコウミウシ、ウズラカクレモエビです。

クチナシツノザヤウミウシは、それこそ出現すると情報が駆け巡る様な珍しいウミウシですが、1回ということは想像以上に珍しいのかもしれませんね。

ボブサンウミウシは確かにやや珍しい方かとは思いますが、1回というのは少し行き過ぎな様な……。

ミヤコウミウシは確かにそこまで珍しくなく、なおかつパッと見は綺麗とは言えないかもしれませんが、1回は少しかわいそうです。
よく見ると綺麗な青い模様があるので、注目してあげてくださいね!

ウズラカクレモエビも、やや珍しいとはいえ人気のエビだと思っていたのですが、なぜ1回なのか……。

尚、今回の結果はあくまでScuba Monstersが独自に収集したデータからの集計なので、当然ながら実際にはもっと出現しているのに収集できていない、というケースも多々あるかと思います。
例えば、クチナシツノザヤウミウシは、2023年だけでも2回ぐらいは出現情報を耳にした気がしています。

おわりに

珍しいからありがたがる、皆に人気だからありがたがる。
全ての生き物には興味深い生態行動や美しい点が存在するので、分け隔てなく興味を持ってもらいたいものではありますが、そうはいっても注目度に差が生まれるのは仕方がないことでしょう。

今回は順位でお伝えしてしまいましたが、何も生き物に優劣があるわけではありません。

ただ、ひとつの指標としては興味深い物になったかなと思うので、今後はこの指標を何かに活用できないか、考えていきたいと思います。
エリアごとに絞って集計をすると、また違った結果になって面白いかもしれませんね!

近い将来、様々な集計を皆様が自由に行えるような場所も作っていけたらと思っています。

細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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