久米島について
憧れの生物たちとの遭遇が叶う!?
マンタにクジラ、イソマグロの群れなどの大物、そして、ニチリンダテハゼやアケボノハゼをはじめとする人気の小さな生物との出会いが期待できる久米島(くめじま)の海。
久米島のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。
ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!
目次
久米島の概要
沖縄本島から西へ約100km、沖縄諸島最西端に位置する久米島は、澄んだ海が広がる離島です。
素朴で温かい空気が流れる久米島は、大自然を肌で感じながら、のんびり過ごしたいダイバーにおすすめのダイビングスポット。
自然の豊かさに加え、歴史的にも文化的にも貴重な遺産にも恵まれていることから、1983年、久米島ほぼ全域とその周辺海域が、沖縄県初の県立自然公園(久米島県立自然公園)に指定されました。
久米島といえば、手付かずの自然。
特に有名なのが、ハテの浜です。
久米島の東方約5kmほどのところにあるサンゴでできた白砂だけの島で、東洋一とも称される絶景ビーチが広がります。
グラスボートやサップなどのマリンアクティビティも盛んで、もちろんダイビングも楽しむことができます。
久米島には、南国リゾート気分に浸れるリゾートホテルが3軒あり、ラグジュアリーな滞在も可能。
他、アクセスの良い街中のホテルや素朴でアットホームな民宿などもあり、好みの滞在スタイルを選べるのも嬉しいところです。
久米島ダイビング基本情報
久米島近海には、他の沖縄県の海域同様、黒潮が近くに流れています。
豊富な魚種が棲み着いているうえ、魚の量も多いのが特徴です。
また、ハテの浜が自然の防波堤の役割を果たしてくれるので、全てのダイビングポイントが潜れない、ということはほとんどありません。
島をぐるっと囲むように約30ヶ所のダイビングポイントがあり、そのほとんどがボートポイント。
久米島は火山活動によってできた島で、変化に富んだ地形も見どころです。
久米島北部には、豪快なドロップオフを特徴とするダイビングポイントが多く存在しています。
潮がよく通るダイビングポイントでは、大物も狙えます。
通年マンタを狙えるマンタステーション、マダラトビエイやロウニンアジなどと出会えるトンバラ、初夏から秋にかけてホソカマスやオオメカマスが群れるイマズニなど、様々なダイビングポイントがあり、冬にはザトウクジラも久米島近海に姿を現します。
大物好きには堪らない海です。
ウミウシ、ハゼ類、甲殻類などの小さな生物も豊富に生息しています。
特に、久米島に生息数が多いモンツキカエルウオや久米島の名を冠したクメジマオトヒメエビなどは、久米島ダイビングのアイドルと言えるでしょう。
小さな生物の宝庫と言われるウーマガイでは、激レア生物が観察できる可能性もあります。
地形、大物、小さな生物と三拍子揃った久米島の海。
さらに、ハテの浜の近くのダイビングポイント・ハテの浜沖の沖では、真っ白な砂地を堪能しながらのんびり潜ることもできます。
久米島は、ダイビングポイント選びや訪れる季節によって、様々な顔を見せてくれます。
ダイビングのシーズナリティ
久米島の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。
春の久米島
水温の上昇と共に、生物の活動が活発になり始める頃です。
様々な生物の求愛・産卵・孵化といった生態行動が観察しやすくなり、フィッシュウォッチングが楽しい季節です。
特に、モンツキカエルウオの卵保育は、見どころです。
また海況も徐々に安定し始め、様々なポイントに行くことができます。
夏の久米島
スズメダイの仲間、ハナダイの仲間、ハゼの仲間などの様々な生物の幼魚が爆発的に増え、一気に魚の量が多くなります。
特に、スミレナガハナダイの幼魚やヒオドシベラの幼魚は、ダイバーに人気です。
一年で最も魚の数と量が増える季節と言って良いでしょう。
また、日差しも強いため、水中が明るくなり透明度もグンっと良くなります。
水温も高く、水中も華やかなので、ついついダイブタイムが長くなりがちです。
また、サンセットダイブやナイトダイブといった、普段と違う潜り方を楽しむこともできます。
サンセットダイブでは、アカハラヤッコやクロハコフグをはじめとする多種の魚たちの求愛行動が観察できます。
このサンセットダイブで特に人気なのが、5月末〜7月中旬頃に観察できるモンツキカエルウオのハッチアウト。
見たいダイバーは、ダイビングショップへリクエストしてみましょう。
ナイトダイブでは、サンゴの産卵シーンを狙ったり、設置したライトに集まる浮遊系生物を観察したりするダイビングも楽しめます。
夏は南風が吹くため、久米島の北側にあるダイビングポイントで潜ることが多くなります。
秋の久米島
陸上も水中も、暑すぎず寒くない過ごしやすい季節です。
水中は、夏に続き魚の量が多く、高い透明度をキープしています。
風向きが日によって変わることも多くなり、久米島全体のダイビングポイントに潜りやすい季節です。
また、マンタと出会えるダイビングポイントにも行きやすくなり、遭遇率も高くなってきます。
冬の久米島
冬は北風が吹くため、久米島の南側にあるダイビングポイントで潜ることが多くなります。
南側には、トンバラを筆頭に大物が姿を現すダイビングポイントが多いため、大物との遭遇率が高くなる時期です。
イソマグロの群れやタイガーシャーク(イタチザメ)などが期待できるほか、運が良ければ、ハンマーヘッド(アカシュモクザメ)やジンベエザメなどとの出会いも!
そして、冬は北半球に生息するザトウクジラが冷たい海から暖かい海へと南下し始める時期です。
ザトウクジラが久米島近海に姿を表す1月末~3月下旬頃には、ホエールウォッチング&スイム船も出航します。
船上から見るブリーチング(水面でジャンプ)やテールスラップ(尾びれで水面をたたく)などの豪快なアクション、そして、水中で見る雄大な姿は、圧巻の光景です。
ダイビングポイント紹介
久米島の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。
トンバラ
島の南端より約2km離れた沖合にあるトンバラ岩の周辺を潜ります。
沖合にあり潮の流れが良く、360度どこからでも流れが入ってきます。
そのため、透明度が高く、魚の量も多い特徴があります。
巨岩のスケールに驚かされながら流れの中を進んでいくと、マンタやマダラトビエイ 、ロウニンアジ、ギンガメアジ、ホワイトチップ(ネムリブカ)、ブラックフィンバラクーダ(タツカマス)などの大物や回遊魚の群れとの出会いが期待できます。
運が良ければ、ジンベエザメやカジキ、ハンマーヘッド(アカシュモクザメ)といったビッグサプライズと遭遇することも!
一方、トンバラならではと言える、小さな生物の観察もできます。
通称・ガイコツパンダホヤをはじめ、少々マニアックですが、珍しいベラの仲間・シラタキベラダマシやまだ和名のないハナダイの仲間・オレンジストライプドピグミーバスレットなどとの出会いも期待できます。
【エントリー・スタイル】ボート(港から約20分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】35m
【流れが出た場合】流れによってダイビングを中止する場合がある
【ナイトダイビング】×
ウーマガイ
ウーマガイは、久米島一の小さな生物の宝庫。
久米島で最も落差のある豪快なドロップオフのダイビングポイントです。
ドロップオフの最浅部は水深約12m。そこから水深約46mまでほぼ垂直に落ち込み、その落差は約34m。
さらに奥は1000m以上の深海が広がっています。
この稀有な地形に小さな魚たちが豊富に生息しており、ニチリンダテハゼやアケボノハゼなどの人気生物から、スミレナガハナダイやモンツキカエルウオなどの定番アイドルまで揃い踏み。
近年、深場を好むシコンハタタテハゼもダイバーが見られる水深で観察されています。
ハナダイの仲間、ハゼの仲間、カエルウオの仲間、カエルアンコウの仲間、甲殻類など、何度潜っても飽きないほど、たくさんの生物が生息しています。
また、メインの根は少し沖合に突出しています。
そこに潮が当たるため、根周辺の魚の量が多く、カスミチョウチョウウオやハナゴイが群れる華やかな光景が見られます。
【エントリー・スタイル】ボート(港から約12分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】43m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×
マンタステーション
2018年にオープンした、比較的新しいダイビングポイントです。
その最大の特徴は、クリーニングステーションで通年マンタを狙えること。
マンタがクリーニングされに訪れる根が連なっており、根周辺に着底して観察します。
港から約10分という近い距離にあり、リーフのすぐ外側であることから、大荒れしない限りは、通年潜ることが可能です。
根の最浅部は水深約7mとそれほど深くないため、経験の少ないダイバーの方でも潜ることができます。
運が良ければ、ブラックマンタに出会えることも!
【エントリー・スタイル】ボート(港から約10分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】18m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×
その他のダイビングポイント
トリノクチ、シャドーケーブ、パイナップルバレー、ガラサー山沖、鳥島沖、鹿児島の海、グランビュータートル、プレアクエリアム、ミーフガー、シンバル、月面空間、イマズニ、トンバラザシ、シチューガマ、アンマーテンブス、カスミキレツの根、リュウグウ、御願﨑灯台、タケンチ、ハテの浜沖の沖、中の浜沖、ムーチーグー、ナングチ、漁礁
久米島へのアクセス情報
飛行機でのアクセス:
那覇空港から久米島空港へは、JTA(日本トランスオーシャン航空)とRAC(琉球エアコミュニケーター)が毎日運航(所要時間約30分)しています。1日6〜7便運行されているので、お好みの時間をチョイスできます。
▶︎JTA(https://jta-okinawa.com/)
▶︎RAC(https://rac-okinawa.com/)
ちなみに、JTAは夏季限定で羽田空港から久米島空港への直行便を運行することも。関東圏の方は、要チェックですね。
船でのアクセス:
那覇泊港から久米島兼城港まで、久米島商船株式会社が1日2便(月曜は1便)運行しています。
船によって所要時間は異なりますが、「フェリー琉球」の直行便の場合は2時間50分程度、「ニューくめしま」の渡名喜経由便の場合は4時間程度かかります。
▶︎久米島商船株式会社(http://www.kumeline.com/)
久米島の観光情報
車で1時間ほどで島を一周回れてしまうので、効率良く景勝地を回ることができます。
特に有名なのが、東洋一美しいと称される“ハテの浜”です。
サンゴでできた白砂だけの島に上陸すると、目前に広がるのは空と海の青!
天国のような光景に癒されながら、シュノーケリングやクリアカヤック等が楽しめます。
他にも、子宝のパワースポット・ミーフガーや琉球王国時代の城跡など、様々な観光スポットがあります。
ダイビングトリップといえば、グルメもお楽しみポイントですね。
久米島が日本一の生産量を誇る車エビは、ぜひ味わいたいところです。
地元の飲食店やホテルで様々なメニューが提供されています。
同じく生産量日本一の海ぶどうやブランド鶏・久米島赤鶏、地の素材で作る久米島そばは必食です。
その中でも、特におすすめの3店舗をご紹介します。
まずは、「ラーメン居酒屋、心喜」。
久米島の特産品である車海老を使った車海老ラーメンや車海老餃子は必食!
ちなみに、沖縄そばではなく、ラーメンです。
「グリル居酒屋 きよせ」では、落ち着いた雰囲気の中、絶品の肉料理が味わえます。
沖縄県産和牛や久米島赤鶏を使用したメニューをはじめ、沖縄ぎょうざも人気です。
そして、沖縄料理、中華料理、海鮮、寿司、久米島そば……と幅広いメニューが並ぶ「海鮮味処 亀吉」。
特に、家族で訪れる方におすすめです。
情報・写真提供:ダイブエスティバン(http://dive-estivant.com/)