稲取について
静岡県・伊豆半島の東側にあるダイビングスポット、稲取(いなとり)。
サメやエイの仲間や、ウミガメのような大物から、東伊豆では珍しいキイロウミコチョウをはじめとするウミウシまで、幅広い楽しみ方ができる海です!
そんな稲取のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。
ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!
稲取の概要
稲取は、東伊豆の中でも老舗温泉街が魅力の人気観光地。
週末や連休になると、温泉や海の幸を堪能するために、多くの人で賑わいます。
特に金目鯛が有名で、稲取でとれる金目鯛は、その美味しさと貴重性から「稲取キンメ」として商標登録されたブランドものです。
毎年1~3月頃には、「雛のつるし飾りまつり」が開催され、稲取が発祥の地と言われる雛人形のつるし飾りを、街のあちこちでみることができます。
その歴史は古く、江戸時代後期から続くとても歴史のある風習で、稲取を代表する文化となっています。
稲取のダイビング基本情報
幅700mもある広大なビーチが広がる稲取。
東伊豆のダイビングポイントですが、北東の風に強く周辺のダイビングポイントがクローズしていても、稲取では潜れることもしばしば。
稲取のダイビングポイントのひとつの藤三(とうさん)には、人気写真スポットがあります。
エントリーしてゴロタの浅瀬を進んでいくとドラえもん(いなえもん)のオブジェが現れ、多くのダイバーが記念撮影をして楽しんでいます。
また、東伊豆としてはめずらしい白砂が広がるのが稲取の特徴でもあり、砂紋の美しさを俯瞰で眺めながら、明るく開放的なダイビングが楽しめるスポットです。
ビーチポイントでありながら、ネコザメやドチザメなどのサメの仲間や、ウミガメなど、四季を通してさまざまな大型の生き物に出会えるチャンスがあります。
また、東伊豆のダイビングポイントには江戸城の築城石を見られる場所が点在し、稲取のダイビングポイントにもいくつか沈んでいます。
江戸時代、徳川家康が江戸城を改築する際に、堅質の安山岩が城の石垣に重宝されました。
その安山岩がよく採石できる東伊豆から、直方体に切り取られた築城石が海路を使い江戸に運ばれたといいます。
そして、江戸に運ばれるはずだった築城石が今でもそのままの形をとどめて残っており、水中で400年前の歴史を時感じることができます。
バディダイビング初心者のダイバーにも利用しやすいように、水中にはガイドロープがしっかりと張られ、ポイントが整備されているのが嬉しいポイントです。
稲取のダイビングのシーズナリティ
稲取の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。
春の稲取
浅瀬には海藻のマメタワラが生え始め、そこに隠れる幼魚の姿が多く見られるようになります。
ガイドロープとして利用しているホースの結び目先端の穴には、ニジギンポやテンクロスジギンポが産卵をしている姿を観察することができます。
春はネコザメを多く観察できる季節。
さらに岩と岩の隙間を覗くと、運が良ければドリルのような形をしたネコザメの卵を発見することもできます。
夏の稲取
夏は季節来遊魚がちらほら姿を現し始めます。
ツノダシやツユベラの幼魚をはじめ、浅瀬ではミヤコキセンスズメダイ、また、珍しいムラサキウミコチョウというウミウシが観察できるなど、小さな生物探しが楽しいシーズンでもあります。
水温が上ってくると、砂地にはアサヒガニの姿も。
アサヒガニは夜行性なので、日中は目だけを出して砂場に隠れている、ユーモラスな姿をみることができす。
砂場からひょっこり突き出ている目を目印に、注意深く探してみてください。
まるで南の魚のような真っ青なボディのソラスズメダイや、ネンブツダイ、キンメモドキの幼魚が作る大きな群れや、夕方にはタイワンカマスの群れがダイバーの周りを360°囲ってくれる日もあります。
秋の稲取
秋は砂地が面白い季節!
テンスの幼魚やカミソリウオ、タツノイトコやヨウジウオの仲間が多くみられる季節になります。
さらに、東伊豆では珍しい、キイロウミコチョウが爆発的に多く発生します。
トビエイやヒラタエイ、アカエイなどのエイの仲間たちが続々と出現し、小さな生き物から大物までを楽しめるシーズンです!
冬の稲取
冬になり日が短くなると、稲取のダイビングポイントのひとつの稲取港では、最終エキジットの16:30まで、サンセットダイビングが楽しめるようになります。
ダイビング終盤、日没近くになると、水中に光が届かずナイトダイビングのようになるので、キラキラと光る夜光虫を楽しんだり、タツノオトシゴの仲間を発見したりと、夜にしか見られない生き物観察を楽しむことができます。
15:30までオープンしている他のポイントも大物続出のシーズン到来です!
ネコザメ、トビエイ、アオウミガメの3大アイドルに1本のダイビングで出会える日も数多くあります。
稲取のダイビングポイント紹介
稲取の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。
藤三(とうさん)
ゴロタが続くポイントです。
江戸城を築くために採掘されたと言われている石が、水中に多く沈んでいます。
ゴロタを進んでいくと各所に現れる砂地の部分で、サメやエイの仲間、ウミガメなどの大型生物や、魚の大きな群れをみることができます。
ダイバーの周りを泳いでくれる愛らしいイシダイにも、1年を通して出会うことができます。
ガイドロープもわかりやすく設置してあり、初心者ダイバーやバディダイビングビギナーの方々にオススメのスダイビングポイントです。
【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから徒歩約1分。エントリー場所はスロープ)
【最大水深】25m
【流れが出た場合】コース取りに影響を与える流れが発生することがある
【ナイトダイビング】×
稲取港
稲取港は砂泥が特徴的なダイビングポイントです。
海底に目を凝らすと、ダテハゼやハナハゼとニシキテッポウエビに代表される共生ハゼの生活を観察することができます。
陸に近い場所では、ギンポ団地と呼ばれるパイプの中に、ニジギンポやテンクロスジギンポを観察することができます。
台風の日も潜れるダイビングポイントなので、ほぼ100%の確率でオープンしているポイントです。
【エントリー・スタイル】港からのジャイアントエントリー(セッティングエリアから徒歩約1分)
【最大水深】15m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×
志津摩ビーチ
広大な砂地でダイビングが楽しめるダイビングポイントです。
東伊豆としてはめずらしい白い砂地が広がり、晴れた日には自分の影がその白い砂地にくっきり写り、空を飛んでいるような感覚を味わえます。
砂地手前のゴロタでは、江戸城築城石が数多く発見され、エントリー口にも築城石を見ることができるため、ダイビングを通じて歴史を感じることができます。
生き物は、エイやサメの仲間を多く見ることができます。
【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから徒歩約3分。エントリー場所は岩場)
【最大水深】20m
【流れが出た場合】コース取りに影響を与える流れが発生することがある
【ナイトダイビング】×
その他のダイビングポイント
お船岩
※サザエ根、千石台、池尻海岸は、現在潜ることができません。(2021年10月現在)
稲取へのアクセス情報
電車でのアクセス:
熱海駅から伊東線で伊東駅、伊東駅から伊豆急行線で伊豆稲取駅下車。
伊豆稲取駅から送迎を行ってもらえる場合もあり、予約時に確認しましょう。
車でのアクセス:
東名高速道路、厚木ICより小田原厚木道路、国道135号線を下り、熱海から約1時間20分。
東京から稲取までの所要時間は3時間程度です。
約30台停められる無料駐車場が有ります。
稲取の観光情報
稲取でランチを食すなら、金目鯛は外せません。
ダイビングエリアの周辺にも数多くの金目鯛料理を食べられるお店があります。
中でも名店として名高い網元料理 徳造丸 本店は稲取漁港の目の前にあり、海を眺めながら食事を楽しめます。
▶︎網元料理 徳造丸 本店(http://1930.co.jp/amimoto/honten)
稲取といえばやっぱり温泉!
ダイビング施設に隣接するSPA・RESORT竜宮の使いは日帰り入浴も楽しめます。
大海原を臨むインフィニティ露天は最高のロケーションです。
▶︎SPA・RESORT竜宮の使い(https://www.sparyugu.jp/)
ファミリーにオススメしたいのは伊豆アニマルキングダム。
大人気のホワイトタイガーや、ライオンなどの猛獣類をはじめ、多くの動物が自然に近い環境でのびのび暮らしています。
動物への餌やりやタッチプランなど、至近距離で動物と触れ合うことができ、子供にも大人気です!
▶︎伊豆アニマルキングダム(http://www.izu-kamori.jp/izu-biopark/)
情報・写真提供:稲取マリンスポーツセンター(https://i-mc.co.jp/)