伏木国分海岸について
ダイバーのアイドル・ダンゴウオやウミウシなど、小さい生き物の宝庫!
そんな伏木国分海岸(ふしきこくぶかいがん)のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。
ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!
目次
伏木国分海岸の概要
伏木国分海岸は富山県の北西部、高岡市に位置する富山湾に面したダイビングスポットです。
高岡市は、富山市に次ぐ富山県西部の中心的な都市で、前田利家の嫡男で初代加賀藩主、前田利長が隠居後に築いた高岡城の城下町として発展し、現在でも数多くの歴史的建造物や伝統工芸、季節ごとの祭礼などの文化が残されています。
山門、仏殿、法堂が国宝に指定されている高岡山瑞龍寺や、奈良・鎌倉に並ぶ日本3大仏である高岡大仏は、特に外せない観光スポットです。
また、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている、土蔵造りの町並みに千本格子の家並みなど、街を歩くだけで高岡市の歴史に触れることができるエリアもあります。
ダイビングスポットからも近い国定公園の雨晴海岸は、富山県随一の景勝地として知られ「日本の渚百選」のひとつにも選ばれています。
白い砂浜に松が立ち並び、目の前の富山湾に岩礁が浮かぶその美しい光景は、松尾芭蕉のおくのほそ道でも詠まれたほどです。
伏木国分海岸ダイビング基本情報
伏木国分海岸は富山湾に面した、国分海浜公園にある海水浴場で、夏場は海水浴客で賑わいます。
豪雪地帯としても知られる富山県の海の水温は低いと思われがちですが、南から北上してくる暖流の対馬海流の影響で、冬から春にかけて8℃ほどだった水温が、夏から秋にかけては30℃にまで上昇します。
そのため、水温が低い時期は低水温を好むホテイウオやダンゴウオ、水温が上がってくる時期には南からやってきたカラフルな季節来遊魚やタツノオトシゴの仲間など、数多くの種類の生き物を見ることができます。
また、伏木国分海岸のダイビングといえばウミウシといっても過言ではないほど、たくさんのウミウシを見ることができます。
季節ごとに見られる種類も変化するので、ウミウシ好きのダイバーにはうってつけの海です。
ダイビングポイントは最大水深5mと比較的浅く、一面が砂地。
沖には消波ブロックがあるため、冬の日本海側が荒れる時期以外は穏やかな海況が多く、体験ダイビングやライセンス講習から利用することができます。
ダイビングのシーズナリティ
伏木国分海岸の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。
春の伏木国分海岸
4~6月ごろにかけて、コウイカの産卵シーズンを迎えます。
通常は2匹単位で産卵を行いますが、ピークの2日間ほどはオスとメスの15匹ほどの群れが、ロープを沈めて作られた産卵エリアにやってきます。
求愛やオス同士の喧嘩、交接、産卵などのシーンは見もの!
ロープをよく観察すると、産み付けられたカプセルの様な卵を発見できます。
イカの卵はアオリイカやヤリイカなど、連なった卵であることが多いですが、コウイカの場合は1つ1つの卵が独立しています。
ハッチアウト近くになるとカプセルの中で動く小さいコウイカの赤ちゃんを観察することもできるでしょう。
夏の伏木国分海岸
7月になると水温が一気に上がってきます。
水温の上昇と共に、タツノオトシゴの仲間のサンゴタツやヨウジウオが姿を表します。
春から秋にかけて産卵をおこなうサンゴタツですが、伏木国分海岸では夏によく観察することができます。
タツノオトシゴの仲間は、オスとメスが対になり、オスの育児嚢にメスが卵を産み入れます。
そして、稚魚が孵化するまでオスが育児嚢で卵を育てます。
よく観察すると、卵を抱いてお腹が大きくなったオスのサンゴタツを発見できるかもしれません。
秋の伏木国分海岸
水中が一年で一番ダイナミックになるシーズンの到来!
春に生まれた生き物たちが成長し、大きな群れになり、水中を縦横無尽に泳ぎ回ります。
特にマアジやアカカマスの群れは大迫力。
手を伸ばしたら届きそうなほどの距離で泳いでいたり、目の前一面が群れに覆われることも珍しくありません。
水底を探せば大きく成長したヒラメの姿も。
じっと身を潜め、捕食のチャンスを伺っていることもあり、タイミングが良ければ、小魚の群れに飛び込んでいくヒラメの姿を見ることができるでしょう。
冬の伏木国分海岸
11月頃から、冬型の気圧配置による季節風と発達した低気圧のため、海が荒れることが多くなります。
ですが、海況が良い日に潜れば、小さい生き物が好きなダイバーには嬉しいシーズン。
冬のアイドル、ダンゴウオが出現し、エントリーしてたった5分でダンゴウオに出会えることも!
ウミウシの種類も数も増えてくるのも水温が下がってくるこのシーズン。
ダンゴウオを探していると、同時に複数のウミウシを見つけることができます。
まるで宝探しのようなダイビングを楽しめるシーズンです。
ダイビングポイント紹介
伏木国分海岸の代表的なダイビングポイントをご紹介します。
伏木国分海岸
国分海浜公園にある、一面が砂地のビーチポイント。
沖に消波ブロックがあり、そこに魚やウミウシなどの生き物が多く集まります。
なだらかに深くなりますが、最大水深は5mほどと浅いポイントなので、ライセンス講習はもちろん、体験ダイビングでも楽しむことができるダイビングポイントです。
【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティング場所から徒歩約3分。エントリー場所は砂)
【最大水深】5m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】○
伏木国分海岸へのアクセス情報
飛行機でのアクセス:
最寄りの空港は富山空港です。
羽田空港からは1日3便が就航しており、所要時間は約1時間です。
富山空港からは北陸自動車道を経由して小杉インターチェンジへ。
インターチェンジから県道472号を北上し、県道44号、国道415号を北西に進み車で約45分で伏木国分海岸へ到着します。
車でのアクセス:
能越自動車道・高岡北インターチェンジが最寄りのインターチェンジです。
インターチェンジからは県道32号、国道415号を東に進み車で約15分で伏木国分海岸へ到着します。
ダイビングポイントがある国分海浜公園には無料の駐車場があります。
電車でのアクセス:
JR氷見線越中国分駅が最寄り駅です。
東京駅からの所要時間は、新高岡駅を経由して約4時間20分です。
越中国分駅から伏木国分海岸までは徒歩3分で到着します。
伏木国分海岸の観光情報
ダイビングポイントから車で15分程の海王丸パークは、富山県屈指の観光スポットで、年間100万人以上が訪れます。
帆船海王丸が停泊しており、船内の見学も可能です。
船好きには心躍ること間違いなしの海王丸は、2月14日のバレンタインデーに進水したことから海王丸パークは「恋人の聖地」に選定されています。
船内には「愛むすび/愛鍵」の部屋があり、多くのカップルで賑わっています。
▶海王丸パーク(http://www.kaiwomaru.jp/)
高岡市にある高岡古城公園もぜひ立ち寄って欲しい名所です。
前田利長が築いた高岡城の城跡を公園としています。
公園内には1800本の桜の木があり、春は花見の名所として、また、秋は紅葉の名所として県内外の人々から愛されています。
▶高岡古城公園(http://www.kojyo.sakura.ne.jp/)
ランチにおすすめしたいのは、ダイビングポイントから車で10分、海の目の前に店を構える多古爺(たこや)がおすすめ。
自慢の自家製麺を使ったうどんやラーメン、そばを味わうことができます。
特に人気なのは肉ラーメンで、肉うどんを彷彿とさせる、甘い味付けのラーメンはクセになる味です。
海を眺めながら、高岡市のB級グルメを堪能してみるのはいかがでしょうか。
情報・写真提供:ダイビングスクールオーシャン(https://diving-school-ocean.com/)
伏木国分海岸のダイビングポイント
伏木国分海岸で最近観察された生物
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