沖永良部島について
大迫力の地形に、ギンガメアジの大群によるトルネード、遭遇率100%のウミガメや、ハンマーヘッド(アカシュモクザメ)、さらにはザトウクジラまで!
ダイバーの憧れがぎゅっと詰まった奄美群島の沖永良部島(おきのえらぶじま)。
そんな沖永良部島のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。
ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!
目次
沖永良部島の概要
沖永良部島は鹿児島市から南へ約500kmの場所に浮かぶ、周囲55.8kmほどの島です。
奄美群島に属し、沖縄本島から北へ約60kmの場所に位置しているため、天気が良い日には沖縄本島を望むことができます。
同じ奄美群島の与論島や喜界島と同様に、島のほとんどが海底から海面上へ隆起したサンゴ礁に由来する石灰岩で覆われています。
年間平均気温が22℃、平均水温も23℃と、陸・海ともに一年を通して温暖。
ガジュマルやアダンといった南国の樹木が生い茂っており、国頭小学校の校庭に佇む樹齢約120年のガジュマルは新日本名木百選にも選ばれ、「日本一のガジュマル」として島民から親しまれています。
沖永良部島を含む奄美群島は、コバルトブルーの透き通った海や、緑豊かな森林をはじめとした多様な自然環境、その環境が育む希少な生態系に恵まれ、2017年3月に奄美群島国立公園として日本で34番目の国立公園に指定されました。
そんな多様な自然環境のひとつが、島に点在する鍾乳洞。
総延長日本第2位を誇る大山水鏡洞をはじめ、大小約200から300の洞窟・鍾乳洞があり「洞窟の聖地」と呼ばれています。
洞窟や鍾乳洞を楽しむケイビングも人気で、鍾乳洞の絶景や、冒険気分を味わいたい方を中心に人気を集めています。
沖永良部島ダイビング基本情報
沖永良部島は島の西から南側を中心に非常に多くのダイビングポイントが点在し、その数なんと40ヶ所以上!
水温は通年20℃を下回ることがほぼなく、大きな河川がないため通年透明度がよく、透明度も常に20〜30mをキープ。
特に秋は透視度30mオーバーの日が続き、「エラブブルー」と表現される青い海を体感することができます。
水中はドロップオフや水中洞窟、アーチのような地形から、ギンガメアジやイソマグロ、マダラトビエイなどの大きな生き物、また、南国らしいカラフルなシコンハタタテハゼ(ヘルフリッチ)やアケボノハゼ、時には通称)アオマスク(Hoplolatilus starcki)やニラミハナダイといった生き物まで出現し、多くのダイバーが楽しめる海となっています。
さらに、ここ数年では小さなタツノオトシゴの仲間であるユリタツノコ、カクレタツノコなど沖永良部島で新たな種が次々と発見されています。
島の周りにはウミガメも多く、アオウミガメやタイマイが通年みられ、さらに冬場はアカウミガメに出会えることも。
よく使用するダイビングポイントではダイバーに慣れた個体も多いため、ウミガメ好きのダイバーから人気を得ています。
また、1月下旬から3月中旬ごろには沖永良部島の近海にザトウクジラがやってくるため、運が良ければボートで移動中にザトウクジラに出会えるかもしれません。
また、島内のダイビングショップがホエールウォッチングツアーを開催しているほか、中にはホエールスイムを開催しているダイビングショップもあります。
ダイビングのシーズナリティ
季節風の影響で、南風が多い夏は島の北西側、北風が多い冬は島の南西側と、季節ごとに潜るダイビングポイントが変わる沖永良部島。
ダイビングポイントの多さも相まって、春夏秋冬飽きることがありません!
そんな沖永良部島の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。
春の沖永良部島
春は迫力のある魚を観察するにはベストシーズン!
ギンガメアジの群れが最大になり浅場に移動し、安定して現れます。
また、イソマグロの大群やロウニンアジも狙うことができ、運が良ければハンマーヘッドに遭遇できることも!
風向き次第で、東シナ海側の夏のエリアを潜ることもあり、その時はウミウシ、エビカニなどの小さな生き物の観察がオススメ。
特にウミウシはそれぞれの離島で見つかりやすい種類が異なり、沖永良部島の近くにある与論島や徳之島、奄美大島とはひと味違うウミウシたちを見つけることができます。
夏の沖永良部島
南風が安定してくるため島の北部、東シナ海側を潜ることが多いシーズンです。
流れが穏やかなポイントが多く、ビギナーのダイバーでも安心して潜ることができます。
夏になると魚の種類も数も段々と増えてきます。
一番人気のドロップオフのポイントではシコンハタタテハゼやアケボノハゼなどを観察することができ、水深40m近くの深場にいることが多いハゼ類も、幼魚は20m台の水深にいることが珍しくありません。
ドロップオフや根の周りにはカスミチョウチョウウオやスズメダイの仲間、ハナダイ類などが乱舞し、水中を鮮やかに彩ります。
また、サンゴの群生も見事で、夏にはサンゴの産卵の感動的瞬間に立ち会うチャンスもあります。
さらに、その時期に合わせるかのようにマンタも出現し、生命力あふれる水中を楽しむことができるシーズンです。
秋の沖永良部島
透明度が30mを超える日も多く、エラブブルーを堪能できるシーズンです。
北風の日が徐々に多くなり、島の南側に潜りに行くことが多くなります。
南部にはダイナミックなアーチや、入り組んだ洞窟ポイントが多く、探検気分を味わうことができます。
さまざまな構図でダイナミックな地形の写真撮影を楽しむことができ、地形好きにはうってつけのシーズンです。
冬の沖永良部島
北風が安定してくるため島の南部、太平洋側を潜ることが多いシーズンです。
ギンガメアジの群れが段々と大きくなり、遭遇率も上がってきます。
タイミングが良ければ大迫力のロウニンアジや、イソマグロの大群に出会えることも!
また、冬になるとサメとの出会いも多くなります。
ネムリブカ(ホワイトチップ)は1ダイブで数個体見ることができ、稀にハンマーヘッドにも遭遇できます。
さらに、1月から3月はザトウクジラが南下してくるため、ダイビングボートから泳ぐ姿を見ることもでき、ダイビング中もザトウクジラの声が聞こえてくることがあります。
ダイビングポイント紹介
ボートダイビングがメインの沖永良部島。
島の周りには40ヶ所以上のダイビングポイントがあり、風向きによってベストなコンディションのポイントを潜ることができます。
そんな沖永良部島の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。
ヤグニヤ・ドロップ
夏のメインとなるドロップオフのダイビングポイント。
壁際ではカスミチョウチョウウオが舞い、浅場ではユリタツノコが海藻やハネガヤ類に尻尾を巻きつけ、ゆらゆらと揺れている姿を観察することができます。
また、クダゴンベを多く観察することができ、おすすめのフォトスポットでもあります。
さらに、中層には大迫力の回遊魚が泳いでいることも。
運が良ければハンマーヘッドやマンタなどとのサプライズ的な出会いも期待できます!
【エントリー・スタイル】ボート(港から約5分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】35m
【流れが出た場合】コース取りに影響を与える流れが発生することがある
【ナイトダイビング】×
デーマタ
春や秋に使用することが多いダイビングポイントで、春にはイソマグロの群れやマダラトビエイを狙えるポイントです。
潮の流れが強い時もあり、ドリフトスタイルで潜ることもあります。
とはいえ、常に流れているわけではないので、日によってビギナーダイバーでも潜ることが可能です。
通年ウミガメが多く、運が良ければハンマーヘッドに会えることも。
さらに冬ならダイビング中にザトウクジラに遭遇することも夢ではありません!
【エントリー・スタイル】その他(港から約5分。ドリフトダイビング。またはアンカーを打つ)
【最大水深】30m
【流れが出た場合】何かに捕まらなくてはならないほどの流れが出ることがある
【ナイトダイビング】×
長崎鼻
主に秋〜春にかけてメインで潜るダイビングポイントです。
L字アーチや縦穴、ドロップオフなどのダイナミックな地形を楽しめるポイントですが、通称)ピグミーシーホース(Hippocampus bargibanti)やモンツキカエルウオなどの小さい人気の生き物も多く、楽しみ方は自由自在です。
また、空気消費や中性浮力をきちんと自己管理できるダイバーだけが行くことのできる沖の深場ではロウニンアジを狙うことができ、さらに運が良ければカジキに遭遇することも!
春にはギンガメアジが大きく群れを成し、竜巻状に回転しながらそびえたつ大迫力のギンガメトルネードを見ることができます。
ギンガメアジのシーズンは流れがなくてもドリフトスタイルでエントリーすることが多いポイントです。
【エントリー・スタイル】その他(港から約10分。ドリフトダイビング。またはアンカーを打つ)
【最大水深】35m
【流れが出た場合】何かに捕まらなくてはならないほどの流れが出ることがある
【ナイトダイビング】×
その他のダイビングポイント
西原、出花、イダシチ、軍艦岩、乱舞、アバ、アバ砂地、沖泊、ブルーコーラル、田皆、ヤグニヤ、北壁、夏祭り、石切り場、光の回廊、石積の家、光の洞窟、ブルーキャニオン、ブルーリボン、トマリ、トマリ・アーチ、オアシス、マサナ、マサナ・ビーチ、波平、ツルギ、住吉海岸、花道、カメの根、ハナハナ、ログハウス、住吉ガーデン、魔女の鼻、オオツカン、青の砂地、ビーチロック、アンカー、ビーバー、赤の洞窟、小米アーチ、小米、小米ドロップ、ジーティー、ニコニコ、Wアーチ、長崎・西の根、ウジジ、ヤジャ、ヤジャの砂地、トカキングチ、ビシ
沖永良部島へのアクセス情報
飛行機でのアクセス:
鹿児島空港と那覇空港から飛行機にて沖永良部空港にアクセス可能です。
鹿児島空港からの所要時間は約1時間10分、那覇空港からの所要時間は約1時間です。
船でのアクセス:
鹿児島新港、那覇港、奄美大島の名瀬港から沖永良部島の和泊港までフェリーが運行しています。
鹿児島新港からの所要時間は約18時間、那覇港からの所要時間は約7時間、名瀬港からの所要時間は約5時間40分です。
沖永良部島の観光情報
沖永良部島でぜひ体験してほしいのがケイビングです。
ケイビングというと、テレビなどで見るような半身水に浸かりながら狭い道を進んで行くイメージもありますが、子供から大人まで気軽に楽しめる鍾乳洞ももちろんあります。
代表的なものが大規模な観光鐘乳洞、「昇竜洞」です。
天井からは白銀の鍾乳石が無数に垂れ下がり、その大きさや美しさは日本国内最大級とも。
島内の癒しスポットといえば「タラソおきのえらぶ」です。
海洋療法と呼ばれるタラソテラピー施設で、海に面した絶好のロケーションのなか、温海水プールやジェットバス、サウナなどで体を癒すことができます。
▶︎タラソおきのえらぶ(http://www.erabu.co.jp/)
沖永良部島のアフターダイブで島料理を堪能できるグルメスポットをご紹介します。
松竹はランチにもぴったりな家庭料理屋。
定食料理が豊富で、田芋の茎を使った炒めもののムジイーチ定食や、ソーキそば、山羊汁のほか、ハリセンボンを使ったアバシ汁などの島料理を堪能することができます。
ディナーにもおすすめなのは居酒屋草(そう)。
地元の魚介類や、家庭菜園の採れたての野菜を使用したおばんざいや島料理をいただくことができ、お酒のメニューも豊富です。
情報・写真提供:GTダイバーズ沖永良部島(https://gtdivers.net/)
沖永良部島のダイビングポイント
沖永良部島で最近観察された生物
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