白涛について
ヒメタツやたくさんのウミウシ、さらにはダンゴウオも!
熊本を代表する小さな生き物の宝庫、白涛(しらと)。
そんな白涛のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。
ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!
目次
白涛の概要
白涛は、天草諸島の北部に位置する大矢野島にあるダイビングスポットです。
ダイビングポイントは白涛ビーチひとつで、全長200mほどの白涛海水浴場に隣接した場所を潜ります。
湾になっており比較的波が穏やかなため、夏は親子連れで賑わう場所です。
海岸の西側には、吹割岩という洞窟があります。
この吹割岩は天草四郎の伝説の地として知られ、島原天草一揆の際、この吹割岩で天草四郎が隠れて軍議を開いていたという伝承があります。
実はこの洞窟を通り抜け生き延びたという言い伝えもあるのだとか。
吹割岩自体は、およそ100万年前に火山から溢れ出た溶岩が、冷えて固まって割れて出来たと言われており、白涛ビーチの水中にもその溶岩の跡が残っています。
また、白涛のダイビングスポットは熊本市内からも近く、車で1時間ほどでアクセス可能です。
白涛ダイビング基本情報
熊本を代表する小さな生き物たちの宝庫で、たくさんのウミウシやコケギンポ、ヒメタツ、時にはカエルアンコウの姿を見ることもできます。
水底の砂地にはコモンサカタザメ、マトウトラギス、イイダコなどの姿もあり、中層では珍しいテンジクダイやクダリボウズギスなどを観察することができます。
また、昼のダイビングももちろん面白いのですが、白涛の真骨頂はナイトダイビングです。
水深が浅く、海底も平坦なのでナイトダイビングに最適で、夜になるとタチウオなどの夜行性の生き物たちが続々と出現し、1ダイブでは時間が足りないほどです。
ダイビングのシーズナリティ
白涛の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。
春の白涛
春になると北風の日がほとんどなくなり、潜りやすい季節になってきます。
海藻が繁茂し、ワカメやヒジキ、アカモクなどで海藻の森が水中に出来上がります。
白涛は春ごろに水温が10℃台前半まで下がるため、比較的冷たい水温を好むダンゴウオが観察しやすいシーズン。
冬に産み落とされた卵が孵り、ダンゴウオの赤ちゃんが海藻の近くでたくさん見られるようになります。
ダンゴウオと同時期には珍しいクサウオの幼魚の姿を見つけられることも。
また、ヒメタツも繁殖期が始まり、オスとメスがお腹を合わせハート形になる交接や産卵行動を観察できるようになります。
さらに、マダコの抱卵や産卵も始まり、巣穴の中には藤の花房に似た房状の卵が産み付けられます。
その卵に新鮮な水を送り続け世話をする、メスのマダコの姿を見ることができるでしょう。
春に見られる生き物はとても多く、ウミウシはもちろん、ギマ、ヒイラギも時折群れを成します。
カミクラゲやオワンクラゲも多く見られ、それに付着するウミノミなどの端脚類も観察できる、生き物観察が楽しいシーズンです。
夏の白涛
夏の白涛は濁りの季節です。
熊本方面の白川や緑川、八代方面の球磨川から流れ込む雨水の影響で、透明度が3〜5mの日が続きます。
しかし、その分手元の小さい生き物観察が楽しいシーズンでもあります。
ウミウシの姿が多くなり、さらに6~8月にはタツノオトシゴの仲間が繁殖期を迎え、7月になる頃には水中のあちこちでタツノオトシゴやヒメタツの稚魚が見られるようになります。
産卵期のカエルアンコウが浅場で見られるようになり、運が良ければ卵でお腹がパンパンに膨らんだカエルアンコウの姿を見つけられるかもしれません。
秋の白涛
水中を漂う浮遊系と呼ばれる生き物たちを見られるシーズンです。
テンジクダイ科の仲間や甲殻類の観察を楽しむことができます。
また、オスの青味がかった美しい脚が特徴的なタイワンガザミの繁殖シーズンでもあります。
運が良ければオスとメスが交尾しているシーンが見られることもあります。
冬の白涛
北風が吹き、大荒れになる日が多くなりますが、透明度が高くなってくるシーズンです。
冬もウミウシが多く見られ、アリモウミウシの仲間が海藻の繁茂と共に目立つようになります。
12月にはアイナメやクジメの抱卵や孵化の様子を見られたり、ナイトダイビングではダンゴウオに多く出会えたりするようになります。
ダイビングポイント紹介
白涛の代表的なダイビングポイントをご紹介します。
白涛ビーチ
白涛唯一のダイビングポイントで、沿岸は砂地と岩場、沖合は砂泥と、異なる環境を楽しむことができます。
最大水深は7mほどと浅く、流れもあまり出ることがないため、ビギナーでも安心して楽しめるビーチダイビングポイントです。
ナイトダイビングが人気のポイントですが、周りには民家があり、就寝も早い地域です。
車の開け閉めやダストキャップの水滴の処理など、地元の人の迷惑にならないように配慮してナイトダイビングを楽しむようにしましょう。
【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから約1分。エントリー場所は岩場)
【最大水深】7m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】◯
白涛へのアクセス情報
飛行機でのアクセス:
最寄りの空港は阿蘇くまもと空港です。
羽田空港から約1時間50分で到着します。
空港からは九州縦貫自動車道で松橋インターチェンジまで。
インターチェンジからは国道266号線を天草方面に進み、天文橋を渡り大矢野島に入ります。
空港からの所要時間は約1時間30分です。
車でのアクセス:
最寄りのインターチェンジは松橋インターチェンジです。
インターチェンジからは国道266号線を天草方面に進み、天文橋を渡り大矢野島に入ります。
インターチェンジからの所要時間は約50分です。
電車でのアクセス:
JR三角駅が最寄り駅です。
駅からはタクシーで約15分で到着します。
白涛の観光情報
絶景ポイントとして有名な天草五橋は、車で訪れたならぜひ通って欲しい名所です。
天草五橋は九州本土と天草諸島を結ぶ5つの橋で、熊本の政治家、森慈秀氏が「天草に五つの橋を架けて陸続きにする」という夢の実現のために奔走し、1966年に開通しました。
今では海風を感じながら絶景を楽しめるドライブコースとして親しまれています。
お土産を選ぶのにおすすめなのは「藍のあまくさ村」。
高さ15mの天草四郎像がシンボルで、施設内には天草の特産品や雑貨などのお土産があります。
さらに、南国気分を味わえるカフェ「島café」もあり、ソフトクリームなどのスイーツや、採れたての海鮮炭火焼をいただくことができます。
▶藍のあまくさ村 (http://www.amakusamura.jp/)
疲れを癒やしたい方におすすめなのは、「湯楽亭」と「スパ・タラソ天草」です。
どちらも大矢野島を代表する温泉施設で、湯楽亭ではダイナミックな手掘りの洞窟風呂を楽しめ、スパタラソでは大海原に沈む夕日を見ながら入浴することができます。
日頃の疲れを癒すにはうってつけのスポットです。
▶湯楽亭(http://yurakutei.jp/)
▶スパ・タラソ天草(https://www.spa-thalasso.jp/)
白涛周辺のおすすめのグルメスポットをご紹介します。
がっつり食べたい人におすすめなのは、定食屋の吉珍保斗 (キッチンポット) がおすすめ。
ハンバーグやヒレカツをはじめとした、ボリューム満点の定食をリーズナブルな価格でいただくことができます。
海鮮料理をいただきたい方はぜひマルケイ鮮魚店へ。
竜宮城を彷彿とさせるような外観が目印の鮮魚店のテラスで、新鮮な海鮮料理を堪能することができます。
おすすめはネタ10種類を使った海鮮丼。
観光客はもちろん、地元の方達からも人気な名店です。
▶︎マルケイ鮮魚(https://xn--eckza9j1b.com/)
情報・写真提供:よかよかダイビング(https://www.yokadive.com/)
白涛のダイビングポイント
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