西ノ島について
日本海に浮かぶ隠岐諸島の中でも、起伏に富んだ断崖絶壁の絶景広がる西ノ島(にしのしま)。
この野趣溢れる西ノ島周辺の海では、洞窟やドロップオフでダイナミックなダイビングが楽しめるほか、サメの仲間や回遊魚のような迫力ある生き物たち、そして、色とりどりの小さく可愛い生き物たちが観察できます。
多彩な楽しみ方で多くのダイバーを魅了する、注目のダイビングスポットです。
そんな西ノ島のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。
ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!
目次
西ノ島の概要
島根半島から北東に約65km、日本海に浮かぶ4つの有人島と180余りの無人島からなる隠岐諸島。
隠岐諸島はUNESCO(国際連合教育科学文化機関)世界ジオパークにも認定されており、そのひとつである西ノ島も、豊かな自然が大きな魅力です。
火山活動によって約500万年前にできた島前カルデラは、エーゲ海・サントリーニ島のカルデラと共に、世界でも貴重な景勝地として知られ、その絶景をシーカヤックやハイキングで体感することができます。
また、隠岐諸島周辺は全国でも有数の好漁場に恵まれ、夏には貝類、秋には脂がのった魚介類と旬のグルメも存分に味わえます。
隠岐は古事記の国生み神話にて、3番目に産まれたとされる、古くからの記録に残る地。
また、西ノ島は、鎌倉時代に後鳥羽天皇と後醍醐天皇が、権力闘争に破れて島流しにされたという歴史の舞台でもあります。
今も古い形を残したままの祭礼が行われており、特筆すべきは美田八幡宮(みたはちまんぐう)の「田楽」と日吉神社の「庭の舞」。
古風を留めた芸能が伝承されていることから、共に国指定無形民俗文化財に指定されています。
西ノ島は、自然に食べ物、歴史や文化も満喫でき、のんびりとした島時間も過ごせる日本海の離島です。
西ノ島ダイビング基本情報
対馬海流が育む生命力に溢れる西ノ島の海。
ダイナミックな地形や大型回遊魚に巻かれる様なエキサイティングなダイビングから、自然溢れる海に棲みつく小さな生き物を観察するリラックスしたダイビングまで、様々なタイプのダイビングを楽しむことが可能です。
日本海の荒波によって形成された断崖絶壁と洞窟、水深30mを超える落差のドロップオフ、世界でも珍しいカルデラ湾など、西ノ島の大迫力な地形は地形派ダイバー垂涎の海です。
洞窟の中を覗けば、ドチザメとの嬉しい出会いも。
生き物の多さも、ダイナミックな地形に負けていません。
ネンブツダイやキンメモドキ、イサキやタカベがまるで壁のように巨大な群れをなし、目の前を埋め尽くす光景は圧巻の一言!
秋になると中層にイワシの群れが現れ、そのイワシを狙ってブリなどの大型回遊魚が縦横無尽に泳ぎ回り、壮大な水中を楽しむことができます。
もちろん、ダイバーに人気の小さい生き物もたくさん生息しています。
巣穴から顔を出す姿が可愛らしいジョーフィッシュや、色とりどりのウミウシなどをゆっくりじっくり観察することもできます。
ダイビングのシーズナリティ
西ノ島の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。
春の西ノ島
春のまだ水温が低い時期にはアカエラミノウミウシをはじめ、北方系のエムラミノウミウシなどのウミウシを多く見つけることができます。
水中は海藻が豊かに茂り、その海藻に尾びれを巻きつけたタツノイトコがゆらゆらとゆらめきます。
砂地にはジョーフィッシュの姿も見つけることができ、たくさんの小さな可愛い生き物たちに会える時期です。
夏の西ノ島
透明度が高くなってくる夏は、洞窟ダイビングがオススメ。
差し込む光によって作り出される、光と影のコントラストはまさに芸術。
洞窟内ではネンブツダイやキンメモドキが大きな群れをつくり、幻想的な光景を見せてくれます。
秋の西ノ島
秋は魚の数が一番多くなる時期です。
接岸するイワシを狙って集まる回遊魚の群れとの遭遇率が高まります。
潮の流れによって竜のように群れをなすイサキ、青と黄色のコントラストが美しいタカベの大群、雲のように密に集まるネンブツダイの群れとそのネンブツダイを捕食しようと狙う巨大なクエ。
生命力に溢れた豊かな海を体感することができます。
冬の西ノ島
冬は海況が安定しない為、12月中旬~3月中旬にかけて原則的に潜ることは出来ません。
ダイビングポイント紹介
西ノ島の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。
ヒラシマ
半水面の洞窟ポイント。
全体的に水深が浅く、ビギナーダイバーでも安心して洞窟探検が楽しめます。
水中にある大きなアーチでは降り注ぐ光のシャワーを浴び、洞窟の奥には幻想的な青い世界が広がっています。
洞窟内に隠れているネンブツダイのシルエットや、水面に落ちる水滴の波紋が作り出す光景はいつまでも眺めていたい程に神秘的です。
【エントリー・スタイル】ボート(エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ。港から約25分)
【最大水深】16m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×
星ノ神島
西ノ島北東に浮かぶ離れ島で潮の流れが早くなりやすい一方で、大きい魚の群れを狙えるダイビングポイント。
島の周辺の水深は40mを優に超える深さですが、1か所だけ浅い根が伸びている周辺を潜ります。
降り注ぐタカベの群れ、イサキの壁、イワシを追いかけるヒラマサの群れ、大きなマダイの乱舞、さらにはオキマツゲにも出会える、魚の数なら西ノ島ナンバー1のダイビングポイントです。
【エントリー・スタイル】ボート(エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ。港から約40分)
【最大水深】30m
【流れが出た場合】流れによってダイビングを中止する場合がある
【ナイトダイビング】×
キジガハナ
島前カルデラ内にあり、細かく砕けた貝殻で形成された砂地が広がっています。
湾内なので時化にも強く外海が荒れている場合でも潜れる事が多いダイビングポイントです。
砂地を住処にしているジョーフィッシュや、ハナハゼ・ダテハゼ・テッポウエビの仲間が三者共生する様子、海藻に付くタツノイトコやタツノオトシゴ、イソギンチャクに寄り添うハクセンアカホシカクレエビなどのんびりと小さな生き物を堪能できます。
【エントリー・スタイル】ボート(エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ。港から約15分)
【最大水深】25m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×
その他のポイント
イグリ、カタド、矢走二十六穴、モトイチバン、大桂島
西ノ島へのアクセス情報
船でのアクセス:
西ノ島へは隠岐汽船のフェリー、もしくは高速船を利用します。
フェリーの場合は約2時間半、高速船の場合は約2時間。
出航する港は境港、もしくは七類港で、出航時間によってどちらの港を出航するかが変わります。
時期によって時刻表も変化するので、事前に確認しましょう。
▶隠岐汽船・時刻表(https://www.oki-kisen.co.jp/timetable/)
それぞれの港へは、JR松江駅からと、JR米子駅から米子鬼太郎空港を経由した接続バスが運行しています。
接続バスを利用する場合、接続バスの時刻表も上記隠岐汽船HPから確認可能です。
境港を利用する場合、JR境港駅の隣がフェリー乗り場なので、電車でアクセスすることも可能です。
船が到着する別府港からダイビングサービスが送迎を行なっている場合もあるので、事前に確認をしてみましょう。
また、島内にはレンタカーもあり、出航場所には無料で約30台停められる駐車場があります。
西ノ島の観光情報
西ノ島の歴史や文化を学べる、西ノ島ふるさと館がオススメ!
1996年に設立された歴史民俗資料館で、漁具、生活用品、埋蔵文化財、そして、ジオパーク関係の資料などが展示されています。
▶︎西ノ島ふるさと館(https://nkk-oki.com/japan/information/nishinoshima-furusatokan/)
西ノ島の西側にある観音岩では「日本の夕陽百選」に選ばれた、夕日の絶景を見ることができます。
海抜約40mの高さでそびえ立つ、細長い観音岩にちょうど夕日が沈むと、まるでろうそくに火が灯ったように見えることから、「ローソク岩」の別名も。
このろうそくのような光景を狙えるのは4月下旬~6月上旬、8月上旬~9月上旬の年に2シーズン。ダイビング後にぜひ立ち寄ってみましょう。
ランチにオススメしたいのは、西ノ島の玄関口、別府港から徒歩3分のレストラン・コンセーユ。
名物はサザエ丼、サザエカレー、日替わりランチと岩ガキですが、特にオススメしたいのは隠岐のソウルフードとも言われるサザエ丼です。実はこのコンセーユが発祥の料理とも言われています。
アラメという海藻の上にサザエがどっさり乗っている絶品丼です。来島の記念にぜひ味わってみてください。
情報・写真提供:クラブノア隠岐(http://www.oki.club-noah.net/)
西ノ島のダイビングポイント
西ノ島で最近観察された生物
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