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【魚の絵合わせクイズvol.01】写真から特徴を読み取って図鑑を引いてみよう

絵合わせクイズ01
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【魚の絵合わせクイズvol.01】写真から特徴を読み取って図鑑を引いてみようの解答を発表!

魚の種類を検討する際の観点や手がかりについてもご紹介します。

特に、初心者にとって多いな手がかりとなる、「型分け」についても解説しましたので、「もっと早く図鑑が引けるようになりたい!」というダイバーは、ぜひご覧ください!

A1

この特徴を持つ魚の名前は、

ヒレナガネジリンボウ

でした!

細長い体を持ち、水底にいることからハゼ科の可能性が高いことがわかります。
エビと共生し、ナナメジマをもつことからネジリンボウの仲間であることがわかります。
ヒレナガネジリンボウと他のネジリンボウの仲間との見分けは、頭部の色と背ビレの形状で行いましょう。

絵合わせ情報の正解は、こちら!

●分類:2.ハゼ科
→識別の際にはヒラメ・カレイ型に分類されず、底性のものという点に注目して、ハゼ・コチ型から探し始めると探しやすいですよ。(→型分けについて

●体色:2.しろ
→正式なフィッシュ・ウォッチングでは、基本となる12色をひらがなで表記します。

●模様:2.頭部がきいろ、体にくろのナナメジマ

●ヒレの形状:3.背ビレがハタタテ
→ヒレの形状にも、ハタタテ、ヒレナガなどの名前があります。正しく使うと魚の種類を教えてもらう時に情報の共有がしやすくなりますよ。

背ビレの形で、ネジリンボウと見分けよう!

詳しくは「生物探し」へ!>>ヒレナガネジリンボウ|ScubaMonsters生物探し

A2

この特徴を持つ魚の名前は、

タテジマキンチャクダイ

でした!

体の形からキンチャクダイ科の可能性が高いことがわかります。
成魚はキンチャクダイ科の中で他に似た色や模様のものがいないため、すぐにタテジマキンチャクダイとわかるでしょう。

幼魚・若魚はサザナミヤッコの幼魚に似ますが、タテジマキンチャクダイの幼魚の模様は渦を巻き、サザナミヤッコの幼魚の模様は渦を巻きません。
渦がハッキリしないサイズの場合、サザナミヤッコの幼魚のみ鼻筋に白線が通ることで見分けることができます。

絵合わせ情報の正解は、こちら!

●分類:1.キンチャクダイ科
→識別の際には遊泳性のものという点に注目して、イワシ・タイ・スズキ型から探し始めると探しやすいですよ。(→型分けについて

●体色:2.あお
→きいろのシマが入っているので、体色はあおとなります。

●模様:3.きいろのタテジマ、目の周りがくろ

●ヒレの形状:3.背ビレがイトヒキ

背ビレのイトヒキには、地域差があるよ。イトヒキになるのは太平洋型のみなんだって〜

詳しくは「生物探し」へ!>>タテジマキンチャクダイ|ScubaMonsters生物探し

A3

この特徴を持つ魚の名前は、

クダゴンベ

でした!

体の形や背ビレの形状からゴンベ科の可能性が高いことがわかります。
格子模様や吻(口先)の形はゴンベ科の中でもクダゴンベに特有の特徴なので、すぐにクダゴンベとわかるでしょう。

絵合わせ情報の正解は、こちら!

●分類:1.ゴンベ科
→識別の際には遊泳性のものという点に注目して、イワシ・タイ・スズキ型から探し始めると探しやすいですよ。(→型分けについて

●体色:2.しろ

●模様:2.あかの格子模様

●ヒレの形状:3.背ビレにトゲ状の骨の出っ張りが目立つ
→クダゴンベの場合、識別の決め手にはなりませんが、観察して特徴を捉えることは重要です。

口先が細長いのも特徴だね!背ビレのトゲの先端が短く、フサフサとしているのはゴンベ科に多く見られる特徴だよ。

詳しくは「生物探し」へ!>>クダゴンベ|ScubaMonsters生物探し

【初心者のためのコツ】型分けについて

見た事の無い生き物でも、見た目から科を想像できるようになると、絵合わせは飛躍的にはかどるようになります。
しかし最初はなかなか難しいですよね……。

そこで、手がかりになるのが「型分け」です。
魚の体型に注目し、グループ分けします。
まずはざっくり見分け、アタリをつけてから図鑑を引くことで、より早く探せるようになるでしょう。

下記に、魚の絵合わせセミナーにて播磨先生が紹介してくださった魚の型を紹介します。

魚の絵合わせセミナーは、『フィッシュウォッチング』(著者:林 公義・西村 周・小林安雅、発行:東海大学出版会、発行年:1986年)を元に播磨先生が現代版にアレンジしてくださったものです。
  • サメ・サカタザメ型
    体の横に鰓があり、鰓孔が複数(原則5対。5対以上の場合も)ある。各鰭にしっかりと、肉がついている。
    →サメの仲間、エイ目サカタザメ科
  • エイ・イトマキエイ型
    鰓が体の下側にある。背鰭はないことがほとんど。
    →エイ目
  • ウナギ・ウツボ型
    細長い体を持つ。
    →ウナギ科、ウツボ科、ウミヘビ科、アナゴ科、タチウオ科、リボンイワシ科、コケギンポ科、アカタチ科
  • ヒラメ・カレイ型
    平べったい体を持つ。
    →カレイ目
  • ハゼ・コチ型
    ヒラメ・カレイ型に分類されず、底性のもの。
    →コチ科、ネズッポ科、ミシマオコゼ科、ハゼ科、フサカサゴ科、カジカ科、セミホウボウ科、エソ科
  • モンガラカワハギ・カワハギ型
    体は平べったく、ひし形。第一背鰭の一部が長く伸びる場合が多い。
    →モンガラカワハギ科、カワハギ科、マンボウ科
  • フグ・ハコフグ・アンコウ型
    体は丸味を帯び、口元がすぼまっている。
    →オニオコゼ科、ダンゴウオ科、ハコフグ科、ハリセンボン科、フグ科、アカグツ科、アンコウ科
  • イワシ・タイ・スズキ型
    これまでに分類されない魚のうち、遊泳性のもの。
    →ニシン目、スズキ目
  • 特殊な体型・その他型
    明らかに特殊な見た目をしているもの。
    →カエルアンコウ科、ウミテング科、カミソリウオ科、ヨウジウオ科、コバンザメ科

最後に

実はこの絵合わせクイズ、先日開催した魚の絵合わせセミナーで出題された問題を解くのが楽しくて楽しくて……この楽しみを皆さんと共有したくて考えた企画です。
いや、久しぶりに問題を解くのが楽しいな、勉強って楽しいなって思ったもので。笑

ぜひ図鑑を引いて、魚の名前を探す楽しみを味わって欲しいですが、この解答を読むだけでも、豆知識に溢れていると思います。

問題の方でもご紹介しましたが、スクーバモンスターズでは、様々な生物関連コンテンツを制作&発信しています。

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皆さんも海で絵合わせに挑戦するのはもちろん、陸で生物関連コンテンツに触れてみてはいかがでしょうか??

絵合わせクイズ、次回もお楽しみに〜〜!

写真:田辺ダイビングサービスカアナパリ黄金崎ダイブセンター

山本 晴美

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Scuba Monsters編集長。 1984年生まれのイルカ・クジラ好き編集者。高校2年生でダイバーデビュー。ダイビング誌や主婦誌の編集部、雑誌&書籍を手...

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