MAGAZINE
  • HOME
  • 海のレポート
  • 伊東ダイビングの魅力を徹底解説!半年通って分かった、伊東のスゴさ

伊東ダイビングの魅力を徹底解説!半年通って分かった、伊東のスゴさ

海のレポート

関東在住のダイバーからするとポピュラーなダイビングスポットが多い伊豆半島の伊東市。
星野リゾートや温泉街がある街としても有名ですね!

伊東市にある伊豆海洋公園や富戸は、誰もが聞いたことある超ビックポイントでしょう。

しかし、その伊豆海洋公園や富戸よりもっと手前、伊東の温泉街からすぐの場所に、今最もホットといっても過言ではない「伊東」というダイビングスポットがあることをご存知でしょうか?

伊東の海には、まるで竜宮城かと思うほど華やかな光景が広がっていて、伊豆の中でも特別感のあるダイビングスポット
(個人的には伊豆半島の中の神子元のような立ち位置にあっても良いと思うほど群を抜いて面白い、独特な魅力があるポイントだと思います)

今回はそんな伊東の海の魅力、潜り方、そしてダイビングポイントごとの面白さをご紹介していきたいと思います。

1日じゃ潜り足りない伊東の海

魚影・ソフトコーラル・地形すべてがダイナミックな「白根」

まず初めに、伊東のダイビングは日帰りじゃ絶対にもったいないです!
伊豆半島は日帰りで訪れるダイバーが多く、中でもアクセスがしやすい伊東には日帰りで行こうと思ってしまいますが、出来れば泊まりで行って欲しい!

なぜかというと……

伊東は大きく分けて「白根」と期間限定の「五島根」という2カ所の大きな巨大な根のポイントがあります。

しかもそれぞれの根に3カ所ずつのブイが設置されていて、どのブイから入るかによっても魚の群れ方や地形、ソフトコーラルが全然違って、とても1日じゃ回りきれないんです!

期間限定オープンの「五島根」のソフトコーラルのお花畑

特に5月16日〜9月15日までの期間限定ポイントの「五島根」がオープンしている時は「白根」とどっちに潜っていいか迷うほど、面白く……
みなさん帰る時に口を揃えて潜り足りないと言い残していきます。

僕も今回の5月の取材では5日間滞在しました。
さらに、昨年秋から半年かけて定期的に伊東の海には通っていますが、それでも全然潜り足りません。

せっかくなら1日だけではなく、複数日申し込んでみると、伊東の海の奥深さ、面白さが分かってくるのでオススメです!

伊東のダイビングとは!?

手石島と奥に見えるのが伊東の街並み

伊東の沖合700mに浮かぶ手石岩、この周辺には大小いくつかの根が点在していて、それぞれの根がダイビングポイントになっています。

「五島根」は手石岩の沖に位置し、「白根」は写真のより手前側(写真には映ってない部分)にあります。
どちらも伊東漁港にある伊東ダイビングサービスさんの施設から出る船を利用します。

ポイントはボートで約10〜15分と近く、ダイビングごとに港に帰って来れるので、船が苦手な人でも安心して楽しめます。

伊東市の街なかに位置しているので駅からも近く、電車で訪れるダイバーも潜りやすい場所ですね!
このまま伊豆の東海岸を南に降っていくと川奈、富戸、伊豆海洋公園と有名ダイビングスポットが続いていきます。

こんなアクセスのいい場所にこんな面白い海が広がっていたとは驚きですね!

僕がいつもお世話になっているのはDive Family Yellowのヒデさんです!

ガイド会にも所属していて伊東の海を知り尽くしている上に、その日の海を最高の状態に導いてくれるプロフェッショナルです!

ヒデさんの撮る写真の素晴らしさはもちろん、撮影技術を教えてくれたり、カメラのステップアップのためのアイテムを試させてくれたり、本当に頼りになる。
一眼だけでなくコンデジで次のステップに悩んでいる方にもオススメです!

伊東のダイビングの魅力

伊東のダイビングの魅力は、まずはその華やかさ!
伊豆半島随一のソフトコーラルの群生が作り出す水中の景観、色彩豊かな光景は竜宮城を想起させるほどの光景です!

程よい流れが入りソフトコーラルが満開の時は壁一面ピンクやオレンジのソフトコーラルが咲き乱れます。

また伊東は川からの豊かな栄養が流れつく場所でもあるため、とにかく巨大なソフトコーラルが多い!
人の背丈ほどのトサカやヤギなどもあり、そこにスズメダイが群れる様は圧巻。
華やかな美しさだけではなく、ダイナミックさも兼ね備えているんです。

伊東の海に彩りをもたらしてくれるのは、ソフトコーラルだけじゃなく、ハナダイの群れも有名です!!

オレンジやピンク、赤色といった水中で目立つ色合いは初心者ダイバーの目を引くには十分。
そして婚姻色は一際美しかったりよく見ると背ビレに模様が入っていたりと上級者のダイバーでもハナダイ好きのダイバーは多いことでしょう。

伊東では初夏からキンギョハナダイが増え、夏はキンギョハナダイの産卵、秋はサクラダイという日本固有種の真っ赤なハナダイが産卵、晩春にはナガハナダイが産卵と……

ただ群れる華やかな景色だけでなく、生態観察も狙うことができます。

ハナダイとソフトコーラルが混じり合うと、こんなに美しい光景が!

この写真を撮ったのは5月16日の「五島根」がオープンしてすぐでしたが、まだまだハナダイは少ない時期だそうです。

もちろんカラフルなだけが伊東の魅力じゃない!
そのワイルドさも伊豆半島では群を抜いてすごい!!

まるで壁のように群れるイサキ!
水路を埋め尽くすネンブツダイの群れ!
雲のように密集するキビナゴ!
そしてそれを捕食するカンパチなどの回遊魚!
少し暗い根の影からこちらをじっと見る大型のクエ!

すべて月並みの表現ですが、まさにこの表現がしっくりくる!
それくらい伊東の海の魚影は濃い。
めちゃくちゃワイルドな海でもあるんです!

こんなに華やかさとワイルドさを兼ねそろえた海は他ではあまりないと思います。

もちろん、マクロも面白い!

ここまで伊東のワイドばかりを紹介してきましたが、これだけソフトコーラル豊かで魚が多い海でマクロが面白くないワケがない
僕自身、伊東の海を潜る際はワイド2本マクロ1本くらいの比率で潜ってます。

特に伊東ならではの生物を挙げるとすれば、深場のハナダイたちでしょう!

昨年は激レアのマダラハナダイがあちらこちらに!
しかも最も浅いところで水深25m前後で出たそうです。

他にもキシマハナダイ、フチドリハナダイ、コウリンハナダイ、シロオビハナダイとキリがないほど憧れのハナダイたちが出ています!

深場だけでなく浅瀬にもフタイロハナゴイやアカボシハナゴイ、スジハナダイといったハナダイもいて、とにかく様々な種類を見ることできます!

まるでお花畑!期間限定の「五島根」

ここまで伊東の魅力をざっくり紹介してきましたので、ここからはポイントごとの魅力を紹介していきたいと思います。

まずは今回の取材でメインに潜った伊東の期間限定ポイント「五島根」です!
ここは漁の期間から外れた5月16日〜9月15日までの限定ポイントです。

伊豆半島には珍しいナンヨウイボヤギの群生が見られるのが特徴で、緑色の壁が独特の景観を作っています

とにかく「五島根」はソフトコーラルがものすごく、本当に美しい!

伊豆半島の海の豊かさを象徴するような伊東の海の光景に心躍り、思わず夢中でシャッターを切っちゃいました!

そして、もちろん「五島根」もキンギョハナダイは多い
ソフトコーラルとキンギョハナダイのコラボが最高すぎて、2ダイブも3ダイブもこの光景に夢中になってしまいました。

伊東の海は深いイメージがあるかもしれませんが、この光景は15mくらいなので中性浮力さえ取れていれば楽しむことができます!

正直こんなに心が躍るポイントは久しぶり!

伊東の海は面白すぎますね!

また面白いのがこの壁の反対側は緑のナンヨウイボヤギではなく、黄色のイボヤギの群生が見事なんです!

他にも少し深いところのサクラダイやカゴカキダイの群れなど、まだまだ紹介したい景色はたくさんあるのですが、1ダイブでこれだけ見られるって凄すぎますよね!

「五島根」にはブイが3つあり「五島根北」というブイのポイントに入ると、水路の両側からソフトコーラルが生える、これまたすごい光景に出会うことができます!

こちらのポイントは水路や亀裂が多く、そこに群れるハナダイやソフトコーラルが非常に面白いところです!

期間限定の「五島根」だけでもこんなに面白い!

次は伊東のメインポイント「白根」について紹介します!

魚影、華やかさ、マクロ全て揃った安定の「白根」

「白根」はとても1ダイブじゃ周りきれないほど大きな根で、ブイが3カ所「南・北・中」に分かれています。

どこもダイナミックでソフトコーラル豊かな華やかな景色であることは間違い無いのですが、水路があったり、サクラガーデンやハナダイパラダイスと呼ばれるようなハナダイが特に多い場所があったり、さまざまな楽しみ方ができます!

潮の流れ方によって面白い場所が変わってくるのも特徴ですね。

「白根」はとにかくカラフルでダイナミック、そして静と動を一体としたようなポイントです。

こんな感じの美しいソフトコーラルには、体長1mを優に超えるクエがいたり、本当に壁のような魚影が見られたり!

キンメモドキが行く先を見えなくする程に群れていました。

こんな光景に癒されたり、

魚影に心躍らされてアクティブに楽しんだり!

本当にさまざまな楽しみ方のできるポイントだと思います。

人によって楽しみ方を変えられる懐の深い海で、そして、どの楽しみ方も群を抜いて面白いので、誰が潜っても楽しめるのではないでしょうか。

少なくとも僕は去年初めて「白根」の海に潜って、なんでこんな面白い海にもっと早く来なかったんだと後悔しました。

マクロもレア種を追いかけるのも、もちろん面白いのですがサクラダイのチビやキンギョハナダイなど普通種をじっくり見ても面白い!

伊東ならではの美しい背景と一緒に撮れるので写真を撮る人には最高ですね!

せっかくなら、ソフトコーラルを絡めて……

こんな淡い感じに撮って欲しい。

ついついハナダイばかりに目がいってしまう伊東の海ですが、ちょっと目線を変えるだけで、いろんな生物がいて面白い!

といってもハナダイばかりに目がいってしまいますが……笑

まとめ

伊豆半島の玄関口に位置する伊東の海、めちゃめちゃ面白そうじゃないですか?
関東にお住まいのダイバーは絶対に行った方がいい!

電車も車もアクセスが良いなんて、潜りに行かない理由がないですよ。

今回はあくまで伊東の魅力をオーソドックスに語ってきましたが……

僕が伊東の海で毎回感じるのは、作品を撮りたくなるという気持ち。
この素晴らしい景色を自分の中で昇華して表現に変えたくなる。

例えば、少し伊東の海に潜り慣れてきて、リラックスで切るようになった時の「心の平穏」を夢の中にいるような雰囲気で表現してみたり、

僕が初めて伊東の海に潜った時の「未知との遭遇」の気持ちを惑星っぽくして表現してみたり。

ただ面白いだけじゃない!

どこか作品を撮りたくなるようなアーティスティックな伊東の海。

ぜひ皆さんも1度楽しんでみてください!

撮影協力:
DIVE FAMILY YELLOW(https://www.divefamilyyellow.com/
伊東ダイビングサービス(https://ito-ds.com/

■CHECK!■

今回ご紹介した伊東でのダイビングの様子については、茂野優太さんのブログ&Youtubeでも紹介されています。合わせて、お楽しみください。

関連コンテンツ

スポット探し「伊東」https://scuba-monsters.com/spot/areas/9/spots/129

茂野優太

224,479 views

Under Water Creator。 1991年、神奈川県生まれ。 海・ダイビングの魅力を写真、映像、文章、ガイドなど、多様なアプローチで発信する。 伊...

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。