紀伊大島

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紀伊大島について

ダイナミックなアーチや洞窟などの地形はもちろん、島の周りには数多くのダイビングポイントが点在し、豊かな生物相も魅力!

そんな和歌山県紀伊大島(きいおおしま)のダイビングスポット情報を、その魅力とともにご紹介します。

ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!

紀伊大島の概要

紀伊大島は和歌山県南端の串本町の沖合、1.8kmの場所に位置する、県内最大の島です。
本来は「大島」という名前ですが、伊豆大島をはじめとした日本各地に多くある、他の大島との区別のため、紀伊大島や串本大島とも呼ばれています。

本州と紀伊大島を結ぶのはくしもと大橋。
くしもと大橋はゆるやかな曲線のアーチとループが特徴で、自然と調和した美しさや、海の上を渡る爽快感から、橋自体がフォトスポットや観光名所となっています。

紀伊大島は温暖な気候のため、温帯によく見られる照葉樹林が島の大部分を占めています。
その豊かな自然から「森の島」としても親しまれ、キャンプやグランピングなどのアウトドアレジャーが人気です。

また、島の西側にある大島港は、江戸時代から漁港として栄えていました。
明治時代から昭和の中頃までは捕鯨も盛んに行われており、最盛期には島内に4つの捕鯨会社の基地があったと言われています。

昭和45年に紀伊大島での捕鯨は終了しましたが、現在島内にはクジラの慰霊碑として弔鯨塔が遺されています。

紀伊大島ダイビング基本情報

周囲28kmの大きさを誇る紀伊大島。
島の南側の海岸線は断崖絶壁が続き、水中でもダイナミックな地形を楽しむことができます。

一日では回りきれない数多くのダイビングポイントには、水路やアーチ、そして洞窟などさまざまな地形があり、それぞれ幻想的な水中世界が広がります。

地形好きのダイバーにうってつけのダイビングエリアといえるでしょう。

生き物で特筆すべきはアオリイカです。

アオリイカ
アオリイカ

アオリイカの産卵床として沈められている木は、「アオリイカ産卵床プロジェクト」の一環として毎年設置されています。
このプロジェクトは、アオリイカの産卵場所を確保することで、釣り人はアオリイカ釣りが継続して楽しめるよう、また、ダイバーはアオリイカ観察が継続して楽しめるよう、アオリイカの資源を守るための取り組みです。

産卵シーズンになると多くのアオリイカがその産卵床に集まり、初夏の水中イベントの目玉となっています。

その他、小型の甲殻類や魚はもちろん、ハマチ(ブリ)やカンパチなどの回遊魚、サメやエイの仲間など、生物相はとても豊か。

ダイビングポイントも多いので、何度もリピートするダイバーが多いダイビングエリアです。

ダイビングのシーズナリティ

紀伊大島の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。

紀伊大島のダイビング・シーズナリティ表

春の紀伊大島

普段は水深100m以深に生息するとも言われるマトウダイによく遭遇できるシーズンです。
マトウダイは冬の水温が下がってくる時期に、産卵のために浅場に上がってきます。

春も終盤になってくると、小さくてかわいいマトウダイの幼魚に出会えるかもしれません。

そして、ゴールデンウイーク頃にはアオリイカの産卵ショーが開幕。
日々多くのアオリイカが産卵床にやってきては、オスとメスのペアを作ります。

ペアが成立すると交接・産卵がおこなわれ、産卵床には房に入った卵が多く産み付けられます。

6月頃からはその卵から赤ちゃんアオリイカが飛び出す光景を見られる確率も高くなってきます。

ハナイカ
ハナイカ

アオリイカだけでなく、同じ頃にはハナイカの姿も。
背景にあわせて体の色を変化させる様子は必見です。

夏の紀伊大島

近年は黒潮の接岸により、水温も7月には25℃にまで上昇します。

生き物の数も種類も増え始め、6月頃からネコザメの姿を観察することができます。

イトヒキベラ
イトヒキベラ

また、初夏はイトヒキベラの恋のシーズン。
メタリックに輝く、婚姻色のイトヒキベラを見られるかもしれません。

クジロ通り抜けやオロツの浜などの内海は水深も比較的浅く、流れも穏やか。

地形ポイントも穏やかで最大水深15mほどのポイントもあるので、このシーズンからダイビングデビューするダイバーでも安心して潜ることができます。

秋の紀伊大島

水中の生き物が一番多くなるシーズンです。

南からやってくる季節来遊魚の数も増え、水中は一気に華やかに。

クダゴンベ
クダゴンベ

マアジをはじめとした群れを成す魚の数も一年を通して一番多く、それを狙ってハマチ(ブリ)やカンパチなどの回遊魚がやってきます。
大きな群れに回遊魚がアタックをかける、迫力満点のシーンに遭遇できるかも!

写真好きのダイバーは被写体が豊富で楽しいシーズンです。

冬の紀伊大島

水温は下がってきますが、反比例するかのように透明度はぐんぐん上昇してきます。
透明度20mほどをキープする日も多く、気持ちのいいダイビングを楽しむことができます。

透明度が高い分、地形も際立ち、地形が好きなダイバーにはベストシーズンといえるでしょう。

冬晴れの日も多く、差し込んだ太陽の光が水中では青い光のカーテンのようになり、息を呑むほど美しい光景が広がります。

ニシキウミウシ
ニシキウミウシ

水温が下がってくると増え始めるのはウミウシ。
小さくて宝石のようなウミウシを探し当てるのも楽しいシーズンです。

串本では冬になると強い北西の季節風が発生しますが、大島は東西にダイビングポイントが点在しているので、冬でも穏やかな海況のポイントを選んで潜ることができます。

ダイビングポイント紹介

紀伊大島の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。

クジロの通り抜け

小さな入江になっているため、流れが殆ど無い比較的穏やかなダイビングポイントです。
その名の通り、通り抜け可能なアーチ状の地形がこのポイントの目玉となっています。

砂地には漁礁もあり、そこに集まるハナハゼやネンブツダイの仲間なども観察することができます。

【エントリー・スタイル】ボート(港より約10分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ) 
【最大水深】20m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×

紀伊大島、クジロの通り抜けのオープン確率

ゾウ鼻

島の北側に位置するダイビングポイントで、流れもなく穏やかな海況のことが多いです。

水深13mほどの場所にあるキッカサンゴの群生が見もの!

初夏から秋にはネコザメをよく見かけるダイビングポイントでもあります。

【エントリー・スタイル】ボート(港より約10分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ) 
【最大水深】25m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×

紀伊大島、ゾウバナのオープン確率

シシクイ

島の南側に位置するダイビングポイント。

エントリーしてすぐのところにアーチと洞窟があり、ダイナミックな地形を楽しむことができます。
洞窟内のハタンポ類の群れは、時には前が見えなくなってしまうほど!

黒い縞模様が特徴のイシダイもよく泳いでいます。

【エントリー・スタイル】ボート(港より約10分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】28m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×

紀伊大島、シシクイのオープン確率

その他のダイビングポイント

一文字、権現、浅海 、シシクイバナ 、貝塚 、ナギの谷 、タライの根 、小太郎碆 、剣崎
※以下のダイビングポイントは2022年現在原則潜水不可です。
苗ヶ水道、カバの口、金山、ニギリメシ、ビッグアンカー、グランドキャニオン、ホウラク、23(ツースリー)、スクランブルコーナー

紀伊大島へのアクセス情報

飛行機でのアクセス:
最寄りの空港は南紀白浜空港です。
羽田空港から南紀白浜空港へJALより直行便が1日3便就航しており、約1時間15分ほどで南紀白浜空港に到着します。
南紀白浜空港より紀勢自動車道南紀白浜ICよりすさみ南ICまで車で約30分。
公共交通機関の場合、南紀白浜空港よりバスにてJR白浜駅(所要時間約25分)へ向かい、JR紀勢本線にて串本駅へ向かいましょう(所要時間約1時間)。

車でのアクセス:
大阪方面からは紀勢自動車道すさみ南ICより国道42号線を東へ進み串本へ。
東京・名古屋方面からは熊野尾鷲道路熊野大泊ICより国道42号線を南に進み串本へ。
串本より県道40号線、串本大橋を経て到着します。
すさみ南ICからの所要時間は約45分、熊野大泊ICからの所要時間は約1時間30分です。
東京、池袋駅とJR紀伊勝浦駅を結ぶ夜行バスもあります。
JR紀伊勝浦駅から串本駅まではJRきのくに線にて約40分です。

電車でのアクセス:
大阪方面からは特急くろしおにてJR串本駅へ。
東京・名古屋方面からは特急(ワイドビュー)南紀にてJR新宮駅へ。新宮駅よりJRきのくに線にて串本駅へ。
串本駅からは串本町コミュニティーバスにて約20分で到着します。

串本駅からダイビングサービスで送迎を行ってもらえる場合もあるので、予約時に確認しましょう。

紀伊大島の観光情報

紀伊大島で人気のアクティビティのひとつが海釣り。
海釣りを手軽に楽しみたいなら樫野釣公園センターがおすすめ。
定置網でとれた魚を、自然礁でできた釣り堀に放流しているので、初心者でも簡単に釣りを楽しむことができます。
公園内のレストランでは、地元でとれた新鮮な伊勢海老をまるごと使った海鮮料理を味わうことができます。

▶樫野釣公園センター(http://www.tsurikouen.jp/f-area.html

ペリーの黒船来航は教科書にも掲載されている有名な出来事ですが、それよりも62年も前の1791年にアメリカの商船が紀伊大島に上陸したのが、公文書に記録されているはじめての日米間の交流だったとされています。
日米修交記念館では、アメリカからやってきた船の模型や、当時の様子を解説したジオラマなどを見ることができます。

▶日米修交記念館(https://www.town.kushimoto.wakayama.jp/kanko/oshima/nitibei.html

ランチにおすすめしたいお店を2店ご紹介します。

ひとつは紀伊大島にあるパンとカフェ nagi。
週末には行列ができるベーカリーで、焼きたてのパンはもちろん、ピザやサンドウィッチも販売しています。

ふたつ目は島から15分の場所にあるシーサイドバル ナンシーズ。
オシャレな店内ではイタリアンを味わうことができ、釜焼きナポリピッツァは絶品です。
南紀のクラフトビールや世界各国のワインも取り揃えてあるので、ダイビングのあとにお酒を楽しむのもおすすめです。

情報・写真提供:南紀大島DIVE ISLAND(https://www.diveisland.jp/

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