古くから風光明媚な海岸として百人一首や源氏物語にも登場する須磨。
関西の都市圏からアクセス至便な須磨は、現在でも関西随一のマリンレジャースポットです。
そんな須磨のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。
ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!
須磨の概要

古くは摂津(畿内)と播磨(山陽道)の国境だった須磨にある須磨海岸は、古来より白砂青松の海岸として有名な海岸で、百人一首にも詠まれている場所です。
海岸の全長は1800mに及ぶ須磨海岸は阪神間で最大の自然海岸で、大阪や神戸、京都からのアクセスの良さから現在でもひと夏に80万人が訪れると言われる、関西随一のマリンレジャースポットです。
須磨ダイビング基本情報
瀬戸内海エリアに位置する数少ないダイビングスポットで、2023年にオープンした比較的新しいダイビングスポットです。
大阪市から車で約45分、神戸市の中心とも言える三宮からは車で約15分と、関西の都市部からアクセス至便なことが一番の魅力。
多くのダイビングスポットがある太平洋や日本海とはまた違った生物相や海の景色を見ることができるダイビングスポットでもあります。
人気のタツノオトシゴやコケギンポは通年観察できるほか、春にはこれも人気のスナビクニンを観察することができます。
さらに、アイナメやクジメ、マダコの産卵、ハッチアウトといった生態シーンも須磨の見どころのひとつです。

ダイビングのシーズナリティ
須磨の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。

春の須磨


海の中にはワカメを中心とした海藻が森の様に生い茂り、1年で一番ワイドに楽しめる時期です。
一方で海藻の根元を丁寧に探すとスナビクニンやウミウシ類を見つけることもできます。
海藻は様々な幼魚のゆりかごにもなり、徐々に増えるメバルやキヌバリの幼魚がすくすくと育っていきます。

夏の須磨


海藻の森で育ったメバルやキヌバリの幼魚が成長し、浅瀬に群れを成す様になります。
マアジやマサバ、ブリの群れなども見られるようになり、1年で一番海の中が賑やかになるシーズン。
あちこちにマダコが見られるようになるシーズンでもあります。
秋の須磨

秋はマダコの繁殖シーズンで、中でもハッチアウトのシーンは秋の目玉と言えます。
ナイトダイビングでは高確率でハッチアウトを観察することができ、神秘的なシーンを観察することができますよ!
夏のナイトダイビングではほかにも、タチウオやトビエイなども高確率で観察することができます。
冬の須磨

ミズタマウミウシをはじめとしたウミウシ類やコブダイなどが増えてくる時期です。
一番の見どころはアイナメとクジメの産卵。
12月から1月中旬頃まで観察することができ、キラキラと輝く卵の中で、徐々に稚魚が成長していく姿を観察することができます。


ダイビングポイント紹介
須磨の代表的なダイビングポイントをご紹介します。
須磨ビーチ
須磨海岸のほぼ中央からエントリーします。
波打ち際まで車で器材を運んでもらうことができるので、器材を背負って歩く距離がほとんどなく、楽にダイビングを行うことができることが魅力。

ダイビングエリアのほとんどが砂地で、ハゼの仲間をはじめとした砂地に棲む生物をたくさん観察することができます。


春先から初夏にかけてはワカメやアオサが生い茂り、その海藻は多くの生物の隠れ家となっています。
突堤や堤防まで足を伸ばすと魚の群れも観察することができるほか、コケギンポやタツノオトシゴは通年観察することができます。


波が立ちにくく水深も浅いので、初心者ダイバーから広く楽しむことができるダイビングポイントです。
【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから0分。エントリー場所は砂)
【最大水深】8m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】○

須磨へのアクセス情報
飛行機でのアクセス:
神戸空港が最寄りの空港です。
神戸空港から須磨へは阪神高速3号神戸線を使い、車で約25分です。
車でのアクセス:
阪神高速3号神戸線、若宮ICより国道2号線を経て約3分です。
ダイビングスポットに駐車場は無いため、近隣のコインパーキングなどを利用する必要があります。
電車でのアクセス:
JR山陽本線・須磨海浜公園駅より車で約3分、徒歩でも15分程度です。
須磨の観光情報
ダイビングスポットのある須磨海浜公園には様々な施設があり、ダイビング以外でも楽しめる場所です。
中でも注目は、神戸市立須磨海浜水族園が2024年にリニューアルしたばかりの神戸須磨シーワールド。
2025年4月現在、関西で唯一シャチを展示している水族館としても有名です。
Education(学び)と Entertainment(遊び)を融合し、楽しみながら学ぶことを表現する「『つながる』エデュテインメント」をコンセプトに、イルカやアシカなどの人気の生き物や世界中の魚だけでなく、六甲水系の河川や瀬戸内海の豊かな自然を再現した展示も行っています。
▶︎神戸須磨シーワールド(https://www.kobesuma-seaworld.jp/)
兵庫県は、摂津・播磨・但馬・丹波・淡路という歴史も風土も異なる五つの国からできている県です。
それぞれの地域の特色が味わえることが兵庫県の魅力であり、それぞれに地域ごとの特産品があります。
そんな兵庫県の新鮮な食材がそろう産地直送市場のナナ・ファーム須磨には、県内産の農産物、畜産物、海産物がずらり。
さらに海鮮レストランと焼肉レストランが併設されており、新鮮な県産品をその場で味わうこともできます。
▶︎ナナ・ファーム須磨(https://www.nanafarm.com/)
ダイビングスポットからほど近くにあるPizzeria OTTOは、行列ができることも珍しくない、大人気のイタリアン。
石窯で焼き上げたピザが特に人気です。
ダイビングスポットから近くテイクアウトも可能なので、混雑している場合にはテイクアウトでの利用が便利かもしれませんね。
もちろんディナーでの利用もおすすめです。
▶︎Pizzeria OTTO(https://www.instagram.com/pizzeriaotto)
ランチにはCAFE&DINER GOOD BEACH CLUB~須磨ヨットハーバー~もおすすめ。
こちらも須磨海浜公園内にあり、須磨海岸を一望できる絶好のロケーション。
自社ベーカリーで焼き上げた30種類以上のパンが食べ放題のパンビュッフェのほか、14時以降に訪れると、ランチとは別途300円(税込・記事執筆時点の価格)で袋にパンが詰め放題。
ゆっくりとダイビングを楽しんで、遅めのランチに訪れるのが良いかもしれませんね。
▶︎CAFE&DINER GOOD BEACH CLUB~須磨ヨットハーバー~(https://kbmw505.gorp.jp/)
情報・写真提供:ダイビングスクールSionn(https://kobe-sionn.com/)