伊豆海洋公園

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伊豆海洋公園について

日本の代表的なダイビングエリアのひとつ、静岡県伊豆半島。その伊豆半島の東側にある伊豆海洋公園。
IZU OCEANIC PARKの頭文字をとって、IOP(アイオーピー)とも呼ばれています。

ビーチダイビングのみでありながらダイナミックな地形が楽しめ、東伊豆エリアで見られる生き物が豊富に生息している海です。
また、外洋に面しているため潮の流れがよく当たるダイビングポイントであることもあり、過去にはジンベエザメやハンマーヘッド(アカシュモクザメ)などの目撃例も!
そんな伊豆海洋公園のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。

ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!

伊豆海洋公園の概要

東伊豆の伊豆高原エリアにある伊豆海洋公園。
熱海から走る伊豆急行線でもアクセスできる、ダイビングスポットです。

2018年には伊豆半島全体がUNESCO(国連教育科学文化機関)によって世界ジオパークに認定されました。
もちろん、伊豆海洋公園がある伊豆高原エリアも例外ではありません。
伊豆高原のシンボルでもある大室山が約4000年前に噴火した際に流れ出した溶岩により、陸上も海中もダイナミックで美しい自然が創り上げられました。

周辺には、門脇つり橋や門脇埼灯台、伊豆シャボテン公園、伊豆ぐらんぱる公園などレジャー施設や温泉施設などがあり、家族や友達、カップルなどで楽しむことができるエリアです。

伊豆海洋公園ダイビング基本情報

伊豆海洋公園は、1964年に写真家で魚類研究家の益田一氏が代表取締役会長を務めた益田海洋プロダクションによってダイビングセンターが設立されました。
日本のフィッシュウォッチング発祥の地として、半世紀以上の歴史をもつダイビングスポットです。

益田一氏自身も伊豆海洋公園に魅了され、レジャーダイビングの黎明期である1960年代からこのダイビングポイントを拠点として魚類の研究を続け、日本のフィッシュウォッチングの発展に尽力してきました。

ビーチエントリーのみですが、ビーチポイントとしては他に類を見ない、起伏に富んだダイナミックな地形で、ボートポイントのようなダイビングを楽しめるダイビングスポットです。
外洋に面しているため潮の流れがよく当たり、年間を通して透明度が高く、魚の大きな群れを見ることができます。

水中は環境のバリエーションが豊富で、岩礁・砂地・切り立った岩壁・ゴロタ岩・浅い入江などの様々な環境がダイビングエリア内に混在しています。
そのため、生息する生き物は多岐にわたり多種多様な生物を観察することができます。

伊豆海洋公園は、周辺の川奈や富戸、八幡野や赤沢などのダイビングスポットに比べ、急深な地形のため波やうねりの影響も受けやすく、季節によって不規則な潮の流れが発生することもあるので、ダイビングの際はダイビングセンター内の案内ボードやスタッフに確認するようにしましょう。

そして、関東では唯一となる海底ポストが設置されているのもこの伊豆海洋公園。
浅場と深場、2つの海中ポストがあり実際にハガキを投函することができます!

さらに夏季には、シーサイドバーベキューや日本一海に近い磯プールがオープン!
普段はダイビング講習に使用される50mプールも一般開放されるので、小さい子ども連れのファミリーも1日中楽しめるダイビングスポットとなっています。

ダイビングのシーズナリティ

伊豆海洋公園は、季節ごとに観察できる生き物の変化はもちろん、季節のイベントが盛り沢山のダイビングスポットです!

お正月には水中絵馬、夏にはサンセットダイビングやナイトダイビング、クリスマスには3mを超える巨大な水中クリスマスツリー、そして、季節ごとに装飾されるた海底ポストなど、一年中楽しめるイベントが盛りだくさん。

そんな伊豆海洋公園の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。

春の伊豆海洋公園

伊豆海洋公園の海藻

冬に下がりきった水温が徐々に上がり始め、海藻類が日を追うごとに成長し、いわゆる“地の魚”の幼魚たちの絶好の隠れ場所となります。

また、植物プランクトンの発生などによる “春濁り”と言われる現象が起こるのもこの時季。
このプランクトンを食べる小型の魚や、その魚を食べるさらに大きな魚…と食物連鎖が成り立ち、ダイバーはその恩恵を受けることができるのです。

春濁り:植物性プランクトンの大量発生などに起因して透明度が落ちること

春濁りになると水中は緑になり、生き物の姿が見えづらくなることもあります。
しかし、暗くなるとポリプが全開になるヤギ類やウミトサカ類など陰日性のソフトコーラルと緑のコントラストが美しい写真を撮影するチャンスです。
さらに、岩の間に隠れているかわいいネコザメの幼魚やこの時季に数が増えてくるウミウシを探すといったお楽しみも。
春の伊豆海洋公園ならではのダイビングができますよ。

陰日性サンゴ:光を必要としないサンゴの総称。褐虫藻を持たずに、自身でプランクトンを取り込んで栄養をとり生息しています。(褐虫藻と共生しているサンゴは好日性サンゴと呼ばれます)

夏の伊豆海洋公園

生き物たちの繁殖行動が盛んになる時期。

初夏には海底に沈められた産卵床の付近でペアになったアオリイカのオスがメスをエスコートしたり、まだペアになれていないオスがやってきてオス同士の喧嘩が始まったり……、たった1年で一生を終えてしまうと言われるアオリイカたちの熱いドラマに胸を打たれます。

この他、オスが口内で卵を保育するテンジクダイの仲間や、ベラの仲間が群れになって行うグループ産卵が見られるのもこの季節です。

黒潮が接近し始め、南方から来た季節来遊魚が徐々に姿を現し、タカベ・イサキなどが大きな群れを作り、水中は全体的に賑やかになります。

ただし、夏は“沖出し”と呼ばれる沖に向かう潮の流れが発生しやすいので注意しましょう。

秋の伊豆海洋公園

水温が浅場も深場もまんべんなく上がり、春から増え始めたプランクトンの数も落ち着くので透明度もグンと高くなる、伊豆のダイビングベストシーズン。

カラフルな季節来遊魚が増え、夏までに豊富なプランクトンを食べ大きく成長した魚たちが見事な群れを作ります。
太陽の光を浴びてキラキラと光るイワシの群れにイナダがアタックする迫力満点のシーンもそこらじゅうで見ることができます。

台風のシーズンでもあり、この時期に吹く北東の風(通称ナライ)に弱いダイビングスポットであるためクローズ率は高くなります。
一方で、台風のあとは新たな季節来遊魚が出現しやすいと言われているため、驚くような出会いが待っているかもしれません!

冬の伊豆海洋公園

西高東低の冬型の気圧配置により西寄りの風が吹くことが多く、東伊豆の海況は安定します。
秋からさらに高くなる透明度は30m以上になることもあり、隠れたベストシーズンともいえます。

水温は15度程度まで下がるものの、ドライスーツで潜れば快適。
施設内には40人程が同時に入れる大きなお風呂があるのでエキジット後はホッと一息つきながら温まりましょう。

ダイビング直後の入浴については、減圧症リスクを高めるという意見、逆にリスクを下げるという意見、双方あります。特に、減圧停止が必要、または、無限圧潜水時間ギリギリのダイビングの直後は避けたほうが良いと言えるでしょう。

春~秋に比べると生き物の数は減りますが、深海性の生き物が浅い水深に上がってきます。
ナヌカザメやオオセなどのサメ類との遭遇率が上がるほか、過去には、キアンコウやアカグツが出たことも。
また、砂地に目をこらすと上手に隠れたカスザメを見つけたりすることができます。

クリスマスシーズンには水中クリスマスツリーが設置されます。
サンタクロースやトナカイの衣装の貸し出しが無料で行われるため、水中はサンタクロースだらけになることも!

さらに大晦日にはナイトダイビングも開催され、全国から多くのダイバーが集まり賑わいを見せます。
水中に設置してあるライトから離れ、暗闇に進んで行けば排気の泡やダイバーのキックに反応して光を放つ夜光虫というプランクトンがキラキラと幻想的な光景を演出してくれます。

透明度:水平方向にどれだけ見通すことが出来るかは、正しくは透視度と言いますが、一般的に使用される、透明度に統一しています。

ダイビングポイント紹介

多くのダイビングポイントがある伊豆ですが、ビーチポイントでこれほどダイナミックでさまざまなコース取りができるダイビングポイントは伊豆海洋公園だけと言っても過言ではありません。
穏やかな入江やダイナミックなドロップオフなど、ビギナーダイバーからベテランダイバーまで楽しむことができます。

伊豆海洋公園はエントリー、エキジット場所が1ヶ所なのでダイビングポイントとしては1ヶ所ですが、エリアが広大なため、代表的なエリアを3つご紹介します。

1の根

伊豆海洋公園で一番メジャーなエリア。
陸地から伸びている大きな根で、先端まで行くと水深は30mを超えます。ソフトコーラルやヤギ類、カイメン、ムチカラマツなどが生息し、それを宿主とする生き物を観察できます。
運が良ければ大きなコブを持ったコブダイに遭遇できることも!コブダイは伊豆海洋公園を訪れるダイバーにとってアイドル的な存在です。

【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアからすぐ。エントリー場所はスロープ)
【最大水深】30m
【流れが出た場合】コース取りに影響を与える流れが発生することがある
【ナイトダイビング】×

砂地

水中クリスマスツリーや深場の海底ポスト、産卵床に集まるアオリイカを見られるのはこのエリア。
ネンブツダイが群がるカケアガリと呼ばれる斜面を下れば、水深7mほどから一気に18mまで落ち込み、広大な砂地が広がります。
砂地に目を凝らすとカレイやヒラメ、エイの仲間や、水温が低い時期にはカスザメやサカタザメを観察することができます。

【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアからすぐ。エントリー場所はスロープ)
【最大水深】22m
【流れが出た場合】コース取りに影響を与える流れが発生することがある
【ナイトダイビング】×

2の根

1の根よりさらに大きな根で、伊豆海洋公園の上級者ポイントとなっています。
エントリー口から距離も遠く水深も深いため、エアの消費や無限圧限界時間をしっかり自己管理できるダイバーだけが行ける場所です。その分、人間の影響が少なく、見事なソフトコーラルと、その周りに集まる魚の大群に魅了されます。
根の最深部の水深はレジャーダイビングで行ける40mをゆうに超え、根の側面は高低差20mを超えるドロップオフになっているので、空を飛んでいるような気分を味わえます。

ドロップオフ:​崖のように急激に水深が深く落ち込んでいる地形​

【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアからすぐ。エントリー場所はスロープ)
【最大水深】30m
【流れが出た場合】コース取りに影響を与える流れが発生することがある
【ナイトダイビング】×

伊豆海洋公園へのアクセス情報

車でのアクセス:
東名高速道路、厚木ICより小田原厚木道路、国道135号線を経て、伊東市街から約20分。
または、東名高速道路、沼津ICまたは長泉沼津ICより伊豆縦貫自動車道・伊豆中央道・修善寺道路を経て、県道12号、県道112号経由で伊豆市街から約50分。

電車でのアクセス:
熱海駅から伊東線で伊東駅、伊東駅から伊豆急行線で伊豆高原駅下車、東海バスで伊豆海洋公園まで約9分。
または伊豆急行線城ヶ崎海岸駅から徒歩20分。

伊豆海洋公園の観光情報

伊豆海洋公園のある伊豆高原エリアは、伊豆の中でも有名な観光地です。
ランチには地魚で舌鼓を打ち、アフターダイビングには周辺の観光地や温泉で癒されてはいかがでしょうか。

ランチにおすすめなのは、お食事処 だんらん。
大きな通りからは外れたところにあり、地元のダイバーに人気の定食屋です。マグロと玉ねぎを特製のタレであえたポキ丼や、人の顔より大きなマグロのオオカマ定食、その日仕入れた魚によって変わるお刺身定食など幅広いボリューム満点のメニューが人気です。
また、観光地価格が多い伊豆の飲食店の中ではリーズナブルなのも嬉しいポイント!

電車派のダイバーには、城ヶ崎海岸駅から徒歩で行けるDining Bar&Cafe Nayutaがおすすめ。
地元伊東でとれた地魚料理はもちろん、地元でとれた食材を使った絶品料理を味わえます。
ランチには3~4種類のランチプレート、ディナーは種類豊富なお酒も楽しむことができます。

ダイビング後のアクティビティにオススメしたいのは伊豆ぐらんぱる公園。

大人から子供まで楽しめるレジャー施設で、400mを超えるジップラインや船の形をした巨大迷路、実物代の動く恐竜がいるエリア、さらに夜には「伊豆高原グランイルミ」が開催され、東京ドーム約2個分のエリアに約600万個のLEDで彩るイルミネーションが家族も友達同士もカップルも楽しませてくれます。

▶︎伊豆ぐらんぱる公園(https://granpal.com

ダイビング、観光と疲れた身体を癒すならぜひ立ち寄り温泉へ!

伊豆高原にある立ち寄り温泉で、緑豊かな自然に囲まれた温泉で癒されてください。美肌効果のある泥湯は女性にも大人気です!

▶︎立ち寄り温泉 伊豆高原のゆ(http://www.suiransou.com

そして伊豆高原で欠かせないのがシンボルの大室山。

綺麗なお椀を伏せたような形をした美しいシルエットの山で、リフトで登り伊豆高原を一望することもできます。
標高が580mあるのでダイビング後は避けなくてはなりませんが、泊まりがけで楽しむ方はぜひ立ち寄ってみてください。
毎年2月の第2日曜日には「山焼き」という、大室山の山肌を全て焼く行事が行われるので、麓からでも楽しむことができます。

▶︎大室山(http://omuroyama.com

情報・写真提供:GO TO THE SEA(https://gotothesea.wixsite.com/home

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