大瀬崎

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大瀬崎について

富士山を仰ぐ、西伊豆のダイビングポイント!

南西に張り出した岬は自然の堤防となり、台風など余程の事がない限り湾内や外海・先端といずれかのポイントで潜水可能です。
ダイナミックかつ海洋の安定性があるため、初心者から上級者まで楽しめます

大瀬崎(おせざき)のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。

ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!

大瀬崎の概要

大瀬神社

大瀬崎は静岡県沼津市にある、日本有数の規模を誇るダイビングスポットです。

伊豆半島から駿河湾に突き出したような形で岬が形成されているため、1年を通してどの方角から風が吹いても安定したコンディションの中で潜ることができます。

岬の東側にはダイビングサービスが並び、講習生からベテランまでの様々なダイバーが集うほか、夏場は海水浴客で賑わいます。

岬の先端には大瀬神社の愛称で親しまれる「引手力命(ひきてちからのみこと)神社」があり、その境内には「大瀬明神の神池」呼ばれる、淡水の池があります。

海で囲まれた岬に淡水の池がある理由は解明されておらず、伊豆七不思議のひとつに数えられている、神秘的な場所です。
その神秘性から、パワースポットとして訪れる観光客も多いほか、近年は人気アニメの舞台として聖地巡礼に訪れる観光客も増加しています。

また、岬に広く分布するビャクシン樹林は、国の天然記念物に指定されています。

富士山を仰ぐロケーションと安定した海況、多様な生物という環境により、ダイバーたちの心を掴んで離さない場所が大瀬崎です。

大瀬崎ダイビング基本情報

大瀬崎は伊豆半島の北西端から駿河湾に800mほど突き出したスプーンのような形が特徴的な岬で、その岬の外側と西側にダイビングポイントが数多く存在しています。

南西に突き出した岬が自然の堤防の役割をしてくれるために、台風や強い低気圧などの余程の条件が揃わない限り、湾内を中心にいずれかのポイントで潜れる、安定した海況が魅力です。

大瀬崎が面する駿河湾は、海底の勾配が非常に急なことが特徴で、その最大水深は2,500mに達する日本で最も深い湾です。
そんな駿河湾は、複数の深層水と富士山の雪解け水の影響で、多様な生物に恵まれていると考えられており、日本有数の魚種数を誇ると言われています。

もちろん大瀬崎も同様に、多様な水中生物たちの宝庫となっています。

潜るダイバーの数が多いため、ダイバーに人気の高い生物が1年を通して続々と発見されます。
ネタに事欠かないだけでなく、ジンベエザメやマンタ、ニタリにカジキなど、あっと驚くような生物も年に数回観察される、何が起こるかわからないスポットでもあります。

ダイビングのシーズナリティ

大瀬崎の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。

春の大瀬崎

春は海藻が一気に成長するシーズン。

その海藻を隠れ家にする小魚が増えて、多様な生物を観察できる季節です。
さらにゴールデンウィークから6月中旬までは、マンボウのベストシーズンと言われています。

また、6月頃には茂った海藻が水面まで立ち上がり、昼間にはアオリイカの産卵、夜にはその卵が孵化する瞬間(ハッチアウト)を間近で見ることができます。
アオリイカのための産卵床が湾内の数ヶ所に用意されており、観察しやすい環境が整っていて安心です。

冬に引き続きウミウシが多いシーズンであるほか、1cmサイズのカエルアンコウの幼魚が多く観察される時期でもあります。

夏の大瀬崎

夏は水温が上がり、ウェットスーツ派のダイバーも潜り始め、大瀬崎のベストシーズンが幕を開けます。
魚の動きは活発になり、クロホシイシモチやスズメダイなどの群れの数が大幅に増加します。

また、台風の通過と共に黒潮に乗ってくる季節来遊魚の恩恵を受け始めるシーズンでもあります。
ミナミハコフグやニシキフウライウオなど、カラフルな魚たちがダイバーを楽しませてくれます。

季節来遊魚:分布地域を離れて流れつく魚のうち、季節性のあるもの。たどり着いた先では、成魚になれず繁殖もできないものをいいます。以前は、死滅回遊魚と呼ばれていたこともあります。

秋の大瀬崎

秋はドライスーツへの衣替えの季節ですが、11月頃までは晴天が多く、温かく透明度も良好なベストシーズンが続きます。
イワシやタカベ、イサキの群れにアタックするイナダやカンパチなどの大型回遊魚は10月頃が見頃です。

エビやカニなどの甲殻類も増えてくるため、ワイドもマクロも両方楽しめます。

冬の大瀬崎

キアンコウ

ダイバーが少なく落ち着いてダイビングが楽しめる季節です。年間で最も水温が下がるのは2〜3月頃で、基本的にはドライスーツとフード、ウィンターグローブなどで寒さ対策をして潜ります。

透明度が安定して良好で、透き通った大瀬崎ブルーの海を独り占めかのごとく堪能することができます。

さらにキアンコウやミズウオ、マトウダイなどの、ダイバーが訪れることができないほどの深場に普段は住んでいる生物たちが浅場に上がってきます。

ウミウシのベストシーズンでもあり、ワンダイブで数十種類のウミウシを観察できることもあります。

空気が澄んでいるため、雪化粧をした世界遺産・富士山を楽しめるところも魅力的です。

透明度:水平方向にどれだけ見通すことが出来るかは、正しくは透視度と言いますが、一般的に使用される、透明度に統一しています。

大瀬崎ダイビングポイント紹介

大瀬崎は湾内と外洋では全く違う表情を見せてくれるスポットです。
ポイントはほとんどがビーチエントリーで、「湾内」「外海」「先端」の3つに大きく分かれています。

湾内

岬の内側にある湾内は、ダイビングショップが並ぶ砂利浜に面した幅200mに及ぶポイントです。浜のどこからでも楽にエントリーができて、50mほど沖へ進むとゴロタ、さらに進むと砂地が広がっています。

ゴロタ:大きめの岩や石のこと。ビーチの砂利止めなどに利用されることも多い。

3方向を陸地に囲まれた立地で風の影響を受けにくいため、台風や強い低気圧通過時でもよほどのことがなければクローズすることがなく、海況の安定感は伊豆半島随一。
もちろん講習の定番ポイントですが、初心者向けのポイントと侮ってはいけません。

多くのダイバーが観察に集まる様な希少生物も数多く現れ、時にはカジキやマンタが迷い込むことも。

ベテランダイバーであっても、湾内だけを潜り続けるというダイバーもいるほどの魅力を持ったポイントです。

また、冬から春先にかけては深海性の生物が見られる可能性が高くなるポイントでもあります。

また、大瀬崎では唯一ナイトダイビングが許可されているポイントで、近年は水面で、幼魚やプランクトンなどの浮遊系をじっくり撮影するというスタイルも人気を博しています。

【ポイント名】湾内
【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから1分。エントリー場所は砂利)
【最大水深】30m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】○

大瀬崎、湾内のオープン確率

門下

岬の外側にある外海に属するポイントです。エントリーから水深15m付近まではゴロタが続き、その先は水深20m付近まで砂地、水深20~30mで、再びゴロタとなります。
大きなウミウチワやウミトサカなどのソフトコーラルが美しく、珍しい生物もしばしば登場し、マクロの珍しい生物だけでなく、時にはマンボウなども出現します。

南から西よりの風が天敵で、台風や強い低気圧接近時などはほぼクローズとなりますが、北から東の風には強く、その場合は凪ぎとなりやすいポイントです。
干潮時に起こる潮汐流にも敏感で、特に中潮~大潮周りの時は、時間によって強い流れが発生する事があり注意が必要です。

なお、外海にはほかに、柵下、大川下、一本松、玉崎というポイントがあり、場合によってはエントリーとエキジットで異なる場所から出入りすることもあります。

【ポイント名】門下
【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから1分。エントリー場所はスロープ)
【最大水深】40m
【流れが出た場合】何かに捕まらなくてはならないほどの流れが出ることがある
【ナイトダイビング】×

大瀬崎、門下のオープン確率

先端

先端は名前の通り、岬の先端にあり、土日祝日限定のポイントです。
大瀬神社の境内を横切ってエントリー口に向かうため、拝観料の100円が必要になります。

岬の突端に位置しているために潮の流れが良く当たる環境にあり、大瀬崎の中でも魚の量は随一のポイントです。

ハナダイの種類や数は他のポイントと桁違いで、キンギョハナダイやアカオビハナダイ、ナガハナダイなどのほか、珍しいハナダイが出現することもしばしば。
さらに、ソフトコーラルの群生やマクロ生物、回遊魚までなんでもありのポイントです。
毎年のようにハンマーヘッド(アカシュモクザメ)やマンボウ、マンタなどの大型生物が目撃されているポイントでもあります。

流れは手前の湾内側から岬の先端側に向って流れる事が多く、特に岬の先端に近付けば近付くほど流れが非常に強くなる事があるため、エントリーには注意が必要です。

【ポイント名】先端
【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから1分。エントリー場所はスロープ)
【最大水深】40m
【流れが出た場合】何かに捕まらなくてはならないほどの流れが出ることがある
【ナイトダイビング】×

大瀬崎、先端のオープン確率

その他のダイビングポイント

柵下、大川下、一本松、タマサキ、白崖、ホトケ

大瀬崎へのアクセス情報

車でのアクセス:
新東名高速道路の長泉沼津ICから車で約1時間で到着します。
有料駐車場(1時間300円、5〜8時間まで1,500円、以降2時間ごとに100円)が約250台用意されているほか、ダイビングサービスでも有料、または無料の駐車場を用意されているので、事前に確認してみましょう。

バスでのアクセス:
2021年3月まではJR東海道本線・沼津駅南口より、1日2往復分大瀬崎直通のバスが出ていましたが、2021年4月1日より廃止となってしまいました。

大瀬崎の観光情報

大瀬崎がある西伊豆では、海鮮グルメをぜひ。

民宿・駿陽荘 やま弥の食事処では、駿河湾の旬の味覚を味わえます。
特製ダレに漬けた真鯛に自家農園で獲れる地鶏の卵の卵黄を乗せた鯛丼をはじめ、海鮮丼やなめろう丼など、海鮮メニューがずらり。
ダイバーのみならず、ライダーにも人気です。

▶︎駿陽荘 やま弥(http://www.izu-yamaya.jp/index.php

目の前の海で漁師が育てた絶品の養殖アジが食べられる、いけすやもおすすめ。
鮮度抜群の活きアジと、前日に締めた熟成アジの食べ比べができます。

▶︎内浦漁協直営 いけすや 公式ページ(https://ikesuya.com/

また、ダイバー御用達の貝殻亭も要チェック。
駿河湾でとれた新鮮な海の幸で作る料理が楽しめる、宿も併設するお食事処です。
カサゴのから揚げ定食屋や、生イカ丼が人気です。

▶︎貝殻亭(http://www.kaigaratei.com/

情報・写真提供:大瀬海浜商業組合大瀬活性化委員会(http://www.osezaki.jp/)、ダイビングショップ海童(http://xn--90wm00a.com/

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カンナツノザヤウミウシ
クロヘリアメフラシ
ヒレナガカサゴ
オガサワラカサゴ
サガミツノメエビ
チョウチンコブシガニ
ヒレボシミノカサゴ
ウミガメ(種不明)
マンタ(種不明)
ウミウシカクレエビ
スズメダイ
オオモンカエルアンコウ
ガラスハゼ

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