【性転換する魚】スミレナガハナダイの一生!

生物について

スミレナガハナダイ

英名:Mirror fairly basslet
学名:Pseudanthias pleurotaenia

分布:駿河湾以南の南太平洋、伊豆諸島、琉球列島

生態:サンゴ礁域の水深20m~70mに生息。潮通しの良いサンゴ礁外縁部、特にドロップオフの途中の30m付近に多い。

日本の海水魚より引用

非常に美しい体色を持つハナダイの仲間の中でも特徴的な模様のスミレナガハナダイ。

英名はMirror fairy basslet。

Mirror=鏡、なるほどお腹の模様が鏡に見えますね!

日本では

“サロンパス” 

という愛称で呼ばれることもあります。

こっちの方がしっくりくる人も多いのではないでしょうか?

ちょうど、腰のあたりにサロンパス(湿布)を貼って泳いでいるみたいですね(笑)

スミレナガハナダイの生態

沖縄など暖かい海の水深20m~70mに生息しています。

生息水深が深いことと、潮通しの良いドロップオフなどを好むので、通常、ダイビング初心者がすぐに見に行ける魚ではありませんが、奄美大島など、時と場所によっては浅い所で群れていることもあるそうです。

ちなみに、このスミレナガハナダイは生まれたときは、みんなメスです。

大きくなり、群れの中で強いものがオスへと性転換し、ハーレムを形成することが知られています。

ハナダイの仲間は、すべて性転換をしますが・・・

なかでもスミレナガハナダイは、オスとメスで柄も全然違い、性転換前後の変化もひときわ大胆なんですよ~~

ちょっと見ていきましょう。

スミレナガハナダイの成長過程

それでは各ステージごとのスミレナガハナダイを見ていきます!

幼魚期

まずは幼魚期ですね。

このサイズの時はまだ全然、サロンパスの由来のお腹のマークもないですね。

キンギョハナダイの群れなどに交じって身を隠しています。

非常にキンギョハナダイに似ていますが

  1. 胸ビレが透明で紫がかっていること
  2. 体色が黄色味がかっていること

で、見分けることが出来ます。

幼魚は季節来遊魚として伊豆の海でもよく見られます。

写真も大瀬崎の海で撮りました。

ただし、水温の低い冬を乗り越えることは出来ないので・・・

大人になる前に死んでしまいます。

季節来遊魚ってなにという方は、合わせてコチラもお読みください。

【南国からの贈り物】季節来遊魚とは!?
梅雨が明けると夏本番。本格的なダイビングシーズンが到来しますが、海の中でも変化が起きます。特に伊豆などの場合にはその変化が顕著で、ちょっと潜るだけでもあれ?なんだかカラフルな生物が増えた??と感じるほど。そんなカラフルな生物たち、当然ですが...

メスの時期

次は完全に大人になったメスです。

ハナダイは雌性成熟と言って、生まれたときはみんなメスなので、幼魚と色味なんかも似てますね。

スミレナガハナダイはサイズの大きいハナダイなのでメスでも体長は10センチくらいありました。

まだサロンパスは貼っていませんね(笑)

性転換途中

次は、よく話題になるおなべちゃんです。

メスからオスへ性転換する途中の子です。

まだ小さいですが、体にサロンパスの模様が出始めオスになる準備を始めています。

この個体は、まだオスになりきっていないにもかかわらず・・・

もうメスを追っかけまわしていました(笑)

心の成長に体の成長が付いてきていないのでしょうか?(笑)

オスの時期

最後は立派なオスです。

一気にド派手になりますね!

しかも、この写真は婚姻色と言ってメスに必死にアピールをする1番派手な時期です。

まるで歌舞伎役者のような姿ですね。

立派なオスだと、水中で見ると15センチくらいあるんじゃないかと思うほど、大きく迫力があります。


この性転換のドラマはスミレナガハナダイだけでなく、すべてのハナダイで起こっています。

同じ魚でも幼魚→メス→おなべちゃん→オスと色や柄が変わっていき、何度見ても飽きないです。

生き物の生態を知ると、またダイビングが1つ楽しみになりますね!

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