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でっち日記~久米島より①~

海のレポート

2014年の夏。自分にとって最初で最後の20歳の夏。ぼくはその夏の1ヶ月を、久米島のダイビングショップで過ごしました。

 

高校時代から興味のあったダイビングというスポーツに大学で出会い、横浜を拠点に活動するダイビングサークルへの入会を即決。

この「でっち」というサービスを運営する会社のファウンダーでもあり、サークル直属の先輩でもある拓さんのインストラクションを受け、Cカードを発行してもらったのがぼくとダイビングとの最初の出会いでした。

その後、まんまとダイビングの世界にのめり込み、サークルではガイド役を担当。

サークルが創設当初からお世話になっていた西伊豆・大瀬崎のダイビングサービスでもアルバイト経験を積み、平日は東京の大学に通い、土日は伊豆で泊まり込みアルバイト、というなんともハードな生活を送っていた時期もありました。(笑)

 

ただそのかいあって経験本数も順調に増え、2年生の冬にはダイブマスター(プロダイバーの資格)を取得。

久米島で「でっち」を始める前には経験本数も500本間近に迫っていました。

 

そして、久米島で「でっち」をするきっかけとなったのが、ぼくにとってサークル生活最後の合宿、つまり引退合宿となる2014年夏の久米島合宿。

それまでダイビング一筋の大学生活を送ってきたぼくにとって、この合宿にかける思いは人一倍強く、開催先が久米島に決まった時点で「でっち」にチャレンジすることを決意していました。

そして、合宿が始まる約1ヶ月前から合宿で利用するダイビングショップにお世話になり、最後の合宿を自分にとってもみんなにとっても歴代で最高のものにするために、休みなし、ぶっ続けで動き続けました。

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主な内容は大きく丘番と海番にわかれます。

まず丘番。朝のお店の掃除から始まり、お客様の空港送迎、タンクチャージ、昼食の準備、昼過ぎの店の掃除、庭掃除、翌日のレンタル器材の準備、その日のレンタル器材の片付けなど。

海番は朝一番で港に出向き、その日のお客様の器材の準備、タンクの用意、船の点検、お客様のホテル送迎、出航後はお客様のケア、飲み物の準備、そしてダイビング中はガイドのアシスタント、もしくは体験ダイビングを担当、港に戻ったらタンクを積み替え午後便の準備、夕方は船の掃除と片付け・・・

 

このようにずらっと並べただけでも仕事内容は本当に多岐にわたることが分かります。

伊豆のダイビングサービスである程度経験を積んでいた自分にとっては、動きを覚えること自体そこまで苦労しませんでしたが、繁忙期と重なっていたこともあり、自分の体力の限界と戦い続ける毎日でした。

また、研修とはいえ質も量も妥協は許されない環境だったので、体力的にはおろか精神的にも辛いこともありました。

ただ、そんなときはスタッフの方が親身になって話を聞いてくださったり、合宿を成功させるぞと言うモチベーションが助けになったりしていたので、気持ちを切り替えながら、毎日真夏の照りつける太陽の下で必死になって動いていました。

 

そして1ヶ月後、いよいよ合宿のスタート。ぼくは店のスタッフの方数人と久米島の港でサークルのメンバーが乗ったフェリーが到着するのを待っていました。

そしてフェリーが到着。フェリーの甲板からみんなが手を振って自分の名前を叫んでくれた光景は今でも忘れられません。

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先述したように、ぼくの「でっち」生活は決して楽なものではありませんでした。

ただ、みんなを港で迎え入れた瞬間、サークルを代表して久米島という場所で夏を過ごしたこと、その過程が自信に変わって胸を張ってみんなを迎えられたこと、すべてが誇りに感じました。

 

今でも20歳の夏のすべてを久米島に、ダイビングに捧げたことに後悔はしていないし、むしろこれだけ充実した夏休みを送ることができたのは好きなことに全力で取り組んだからこそだと思っています。

ぼくにとってこの経験は間違いなく一生の財産だし、今でも久米島の高く青い空、どこまでも続く水平線、サークルのみんなの笑顔は脳裏に焼き付いています。

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さて、今回はぼくがでっちを始めるに至った経緯と研修内容を紹介させてもらいました。

続編ではぼくが実際に久米島の海で毎日潜って感じたこと、島の人に出会って感じたことを、上手く伝えられるかは分かりませんが、綴っていきたいと思います。

 

でっち日記久米島編、これにてスタートです!


この日記を書いた人

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ひろと(田辺 洋人)

細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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