でっち日記~与那国島より①~

僕が「でっち」に出たのは2009年の冬のこと。
もう6年も前になりますが、今でも他には無い貴重な経験だったと思っています。
足を踏み入れたのは日本最西端、与那国島。
ハンマーヘッドの群れと海底遺跡で有名ですね。
出典:ダイバーOnline
出典:沖縄暮らしのフォト日記
これらのピークシーズンは年末年始~ゴールデンウィークにかけてなので、冬が一番忙しいという珍しい場所でもあります。
夏休みに比べて冬休みは短いため、最低条件として提示された滞在期間1ヶ月を確保することは出来なかったのですが、なんとか無理を言って受け入れて頂きました。
初めて乗る1人での飛行機。
期待と不安に胸を膨らませながら東京から飛行機を3本乗り継ぎ与那国島へ。
が!到着するやいなや船に乗せられ、説明も自己紹介も何もされないままにエントリー(笑)
潜りながら、この先どうなってしまうのだろう…と本気で心配しました。
幸い1本目のダイビングから帰港した後に、最低限のやるべきことの説明はして頂きました。
しかし本当に最低限だけだったので、海の中での動きや船上での動きは全て手探りでした。
大まかな内容が掴め始めたのは3日目ぐらいからでしょうか。
タンクチャージ、船へのタンク積み下ろし、ダイビング中はブイ持ちと残圧管理、1日の終わりには店と車の清掃。
簡単に言うと、朝7時にはウエットに着替え、ウエットを脱げるのは19時、といった感じです。(笑)
夕飯は自炊だったのですが、寮に帰ってから手の込んだものを作る体力も気力も残っていません。
毎日パスタを茹でて食べ、食べ終わったら一瞬で布団に倒れ込んでいました。
なので、当時のスタッフには「寝ていたイメージしかない(笑)」と言われています。
日本最西端の地、西崎(与那国島) CC 18 July 2006 by Metatron
飛行機代往復7万円もかけて寝てるかウエットスーツを着てるか、という世界に飛び込んだ
というとバカだなぁと思いますが、本当に良い経験をしたと思っています。
多少のことじゃへこたれない体力や、求められている動きを察知すること、与那国島という日本でも有数のハードコンディションの海を知ったこと、などたくさんの物を得ることが出来ました。
中でも、しんどい時でも笑顔で元気を出して頑張っていれば自ずと認めて貰えるということが、得たものの中では大きいでしょうか。
実は与那国島にウエットスーツを忘れて帰るという失態を犯したのですが、送られてきたウエットスーツの中に、「今度は遊びに来てね」と書かれたメモ書きが入っていた時には、なんとも言えない達成感に包まれました。
「でっち」の素晴らしいところは、ただダイビングが好きという気持ちだけを対価に、必死でダイビングに打ち込む環境を得ることが出来る点だと思っています。
金銭的な対価が無いからこそ得られるものもたくさんあると思います。
正直なところ、「でっち」で得られるものは口では言い表せないものもたくさんあります。
経験してみないとわからない。
うまくは言い表せないけれども、出来るだけ多くの学生に同じような経験してもらいたいと本気で思って、このDETCH!というサービスを立ち上げました。
また今になって思うのは、そんな「でっち」が現場にもたらすものもある、ということです。
ダイビングが好き、という熱、ダイビング熱って知らず知らずに伝わるんです。
ただただダイビングが好きで、必死に頑張っている学生が1人でも現場に居ると、その熱はお客さんにも伝わり、みんながダイビングを楽しむことが出来る。
現場に活気が生まれるんです。
あなたのそのダイビング熱を、是非ダイビングの現場に伝染させてみませんか?
この日記を書いた人
細谷 拓(DETCH!運営元、合同会社すぐもぐ代表)
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